第1603話:コエモチ・カエンビ~集会~

「これって何の集まりです?」

「これは集会だよ、集会」

「……? 何のですか?」

 集会というからには何かの目的があるはずだ。

「何の? とはどういう意味で?」

「ほら、誰が集めてるとか、同好の士とか、何かの大会だとか、そういう目的があるでしょ?」

「うーん、そういうのはないんじゃないですかね。ただ集まってるだけというか……」

 そんな集会があるのか? 

「じゃあなんで集まってるんです?」

「うーん、何となくって感じですね。集会なんで」

「えーと、つまり君たちは何の目的もテーマもなく、誰かが主催しているわけでもないこの、集まり、集会に集会だからというだけで集まっているということなのかい?」

「かみ砕いて言えばそういうことになりますね」

「ん~そうかぁ……」

 ここに集まるのをやめてほしい、そう言いに来たわけなんだが……、目的も中心人物も不明、そもそもない集まりを解散させるってどうやればいいんだ……?

 いや、この人が把握していないだけで誰か中心人物がいる可能性はある。

 探して話を付けて解散してもらわなければ……

 しかし、中心人物がいたとして、その周りに集まっている人はまだしも、その他の本当に何の集会か把握していない、ただ集会という雰囲気に集まっている人は解散させることができないのではないだろうか……?

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