第1569話:ヒカルゲ・ルーア~生態研究~
「人間とかの知的生命体はこうやってコミュニティを形成しているからいいとして、そうじゃない生物って突然こっちに放り出されてどうなるんだ? 生存可能?」
「よく野生動物は見かけるから生存可能なんだとは思うけど、よくよく考えたら死んだら知らない場所で閉じ込められてるのをどうやって認識して、どうやって生き残るんだろうな? 放り出されたときの姿、子供だもんな」
「もしかしたら人間がターミナルに優先的に集められるように、動物も確立したコミュニティの中に出るようになっているのかもしれないが、いきなり余所の個体が群れの中に出現して受け入れるものだろうか」
「無理っぽいよな。この世界で群れを作れるかどうかもそうだけど、知らないやつをいきなり受け入れるってのは難しいよな。人間でもそうだし」
「ちょっと見に行くしかないな」
「見に行くって何を?」
「実際に生まれた動物がどうやって生き抜いているかをだよ!」
「というわけで野生動物が多い森にやってきたんだけども」
「何その語り口」
「記録映像を撮ってるからね、一応まだ卵の中にいる状態の動物を探すために卵拾いのプロの人も呼んだよ」
「どうも、卵拾い続けて20年です、すでにこの森の中でもうすぐ生まれそうな卵の位置はプロットしてあるので、さっそく向かいましょう」
「手際がいい」
「あそこですね。あと一時間もしないうちに生まれるんじゃないでしょうか」
「結構大きいなぁ」
「入っているのは大型肉食獣の幼体でしょうね。あ、さっそく生まれるようですよ」
「猫みたいなやつだな」
「たぶん近い種なのでしょう、きょろきょろして、さっそく鳥を捕食しています。さすが実際は成体の経験がありますからね。上手いです」
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