第1489話:チェクチェ・パリマス~泡~
ゴポゴポと湧く気泡。
それを見ながら私を拾ってくれた人がいろいろここで生きる知恵を教えてくれるというのでついて回っている途中、池の横で足を止めて泡の説明を始めた。
「こういう泡が湧いている場所には大抵何かがあるんだよ。調べることで何かアイテムを手に入れることができる」
「ふぅん、どうやって調べるの? 掘る?」
「Aボタンだ」
「Aボタンなんてものは無い」
ここは現実だ。ゲームじゃない。
「Aボタンがない……? しかし、それならどうして……、こうして会話を続ける際にもAボタンを使用しているはず……」
確かにゲームではこういう会話を進める際にもAボタンは押すが……
「無意識にAボタンを使っているのでしょう、さすがです」
何か変だと思っていたんだけどこれ、ゲームのチュートリアルだ……
会話はAボタンにあたる何かを無意識にしていると思うのだけど、じゃあ泡を調べるのはどうやってやるんだ。
「ちょっとやって見せてもらってもいい?」
「そうですね、まずはやって見せた方がいいでしょう」
そう言って案内人は泡の前にしゃがんで水に手を突っ込んだ。
水の深さ的には底まで届かないと思うが……
「こうです」
水から引き揚げたその手には少し濡れた、光る石が握られていた。
「どうやって……?」
まったくわからない……
水面から泡は消えていた。
「ほら、あちらに泡がありますよ。試してみたらどうです?」
「確かに物は試しか……」
ゴポゴポと湧き出る泡に手を入れてみると底はずいぶんと遠く、何かを拾えるような気はしない。
「あ、」
水から手を引き上げると、何かが手の中にあった。
「おや、ススキリ鉱石か。なかなかいい物じゃないか」
できた……
このあたりの仕組み、全くわからないのだが、どうなってるんだろう……?
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