第1466話:レイぺ・ガイチャ~予言の書~
「これには全てが記されている」
そう言って出されたのは何の変哲もない一冊のノート。
「すべてが?」
「そう、過去、今、未来の全てだ」
真面目な顔で語る。冗談ではなさそうな雰囲気だが……
「そんな、薄っぺらいノートみたいなものに書ききれるほど全てというのは少ない物だったんだな」
「開いてみればわかる。読むのはおすすめしないがな」
よくわからないことを言うんじゃない。
「すべてが記されているものなのに、読んじゃダメなのか?」
「開いてみればわかる」
なんだかんだ釈然としないが、開いてみればわかるということだし、開いてみることにしよう。
「???」
「わかったか」
「今何があった?」
何もわからなかった。
「そのノートを開いて、中を見て、閉じた」
「何も覚えてない」
「少し読んだんだろうな、それを読んでしまうとそういう事が起きる」
「つまり、どういうことだ?」
「そのノートに書いてある過去今未来は、ノートを読むことで整合性が揺らいで書き変わるんだ。その際に読んだ者の脳の一部を借用して処理を行うため、一瞬意識が飛ぶんだ」
「じゃあどうして全てが書いてあるってわかるんだ?」
中を読むと書き変わって意識が飛ぶというのであれば、誰も書いてあることがわからないではないか。
「そういうものだからだよ、この辺の過去を記したページなそういうことがないから、すぐ今の内容だけ読んでみるといい」
「改定って書いてあるが……」
「さっき未来の分を読んで改定されたときの記録だな」
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