第1430話:ヒエロフ・オウロチ~呪文詠唱~

「今から教える呪文体系の呪文はとても危険なもので、効果自体は大したことなくても唱えただけで発動し、魔力を消費します」

「なるほど!」

 新しい魔法を教えてもらうことになったのだけど、ずいぶん危険らしい。

「なので、呪文を練習する際に発動させまくってると魔法が魔力の代わりに生命力を喰らいつくして死ぬます」

「なるほど???」

 危険すぎる……!!!

「なので、発動しないようにセーフティをかけた状態で練習します。呪文始動キーに次いで呪文を唱えることで発動するようにしてある」

「なるほど」

「呪文始動キーの方は自分で決められるから練習はあんまり必要ない、言いやすいけど普段は言わない音を使うと良い」

「なぜです?」

「言いづらいといざというときに言えないし、普段使う音だと暴発する」

「あー、そういうことですか」

 その後、とりあえずで呪文始動キーを設定して、呪文を教えてもらった。

「これを使えば呪文が発動しなくても正しい発音ができているかどうかチェックができるから」

「へ~、便利なものがあるんですねぇ」

「まぁ、発音がうまくなるように練習をしてもそれとは別に魔力を伸ばす特訓をしてないと発動した瞬間に死ぬこともあるが……、ここは才能の問題だしね?」

「えぇ……」

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