第1431話:イーリン~外の世界~
「なんかさぁ」
「なに?」
「私たち、同じ顔ばかりじゃない?」
「はぁ、何を言ってるのか。そもそも顔とは」
「ほら、見た目のこと」
「そりゃあ同じ見た目でしょうよ、ほかにどんな見た目があるって言うの。石や木?」
「いやいや、そうじゃなくて、人の姿よ。こないだ私外に行ってきたんだけど、みんな違う姿をしていたの」
「そんなことあるわけないでしょ。人は人、木は木、石には石の形があるものよ」
「そうそう、同じものなのに違う姿の物はないでしょ? 同じなんだから」
「信じられないのはわかるけどさ、本当なんだって!」
「えぇ~? ほんとかなぁ」
「見に行ってみればわかるって! いろんな姿の人がいるんだから!」
「そもそも何のために外へ?」
「そうだそうだ、私たちはここから出ちゃダメなのにね」
「え、」
「もしかして何者かに連れ去られた?」
「それで洗脳して連れ出してくるように仕向けられているのでは?」
「え、え、え? そんなことは無いんだけど……」
「そうね、そもそも誰が何の目的で私たちを誘拐しようとするのかって話よね」
「そうそう、何の価値もないじゃんね」
「だよね、さっき言ったことは忘れて」
「そうしよっか。イーリンももう外に出てはだめよ」
「うん、そうする……」
私の知らない何かがある……?
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