第1398話:イチミヤ・ハルト~真犯人~

「まったく、何度言ったらわかるんだ。これは事故、犯人なんてものは存在しない」

「ふんふん、大事にしたくない気持ちはわかりますよ。しかしですね、私には真実を白日の下に明らかにする義務があるのです! そう、探偵ですからね!!!」

「いや、本当にただの事故なんだが……、始まりから終わりまでみんな見てたし、そもそも君は殺人事件というが誰も死んでないよ!」

 現場を追い出された。

 絶対殺人事件だと思ったんだけど……


 おかしい……

 私は名探偵のはずなのにどういうわけか全然殺人事件に巻き込まれない。

 こないだ偶然現場に居合わせた花瓶破砕事件もただの事故で処理されちゃったし、何かがおかしい……


 こんな時は行きつけのカフェーに行くに限る。

「この事件、私が解決します!」

「帰ってくれ! まだ何も起きてねぇ! 君がいると逆に事件が起きそうな気もする!」

「それは望むところです! 殺人事件ですか!?」

「帰ってくれ! 縁起でもない!」

「私は事件が解決したいんです! 誰か殺したい人と殺してもいひとはいませんか!? 私が作戦を考えましょう! そして見事に解決して見せましょう!」

「そんなことをしたら君が黒幕だし、どんなやり方をしても君が解いちゃうじゃないか!」

「もちろんです! 私は殺人事件を華麗に解決したいのですから!」

「殺人教唆で捕まってくれ!」

「残念、この街じゃ殺人教唆は犯罪じゃないんですよ!」

「ちくしょう!」

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