第1397話:キツリャ・ガイベ~怪魚~
「とは言っても魚だろう? 海竜とかそういう類ならまだしも」
「見てから言ってくださいよぉ。ただの魚ならこんな頼み事してませんよ」
なんでも、湖にでかい魚が現れて魚が食いつくされて困っているから退治してくれとのこと。
とは言っても所詮魚だ、釣りあげるなりして地上に上げてしまえばなすすべがないだろう。
早速大きな肉塊をロープの先に縛り付け、食べたら鉤が引っかかるようにして湖に放り込む。反対側は太い杭を地面に8本打ち込んで固定したリールに繋がっている。
これなら釣りあげられるだろう、と構えていたらいきなりかかった。
リールにつけたハンドルをグルグルと回して引き上げる、かなり重いが何とかなる重さだ。
「よいしょお!!!」
勢いをつけて一気に回すと怪魚が地上に打ち上げられた。
なるほどこれはでかい。湖中の魚を食い尽くすだけのことはある。
しかしもう地上に上がってしまえば魚にできることはない。どうとでも料理できる。
食べて旨いかは知らんが……
とりあえず釣り上げた旨を報告に行くかと、思ったその時、魚がヒレで立ち上がった。
「おお……?」
そのままリールに近づいていき、噛み砕いてロープをすすって最後まで飲み込んでから湖に帰って行った。
「なんだありゃあ……」
まさに怪魚か、どうしたものかね。
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