第1394話:チェイ・ガルデン~貼り付け顔~
「なぁなぁ、シルデアの驚いた顔見てみたくないか?」
「はぁ? シルデアの顔ってあのマトリクスディスプレイに表示されてるアレだろ? 驚いた表情も何もないだろ」
シルデアの顔はいつもどうやって操作しているかはわからないけど、制御されたものだ。
「だからこそだよ、あいついつもあのディスプレイに表情を表示してるだろ? だからいつも実際にそういう感情でいるのかわからないじゃん? そこで驚かせて表情の選択ができない状況を作り出して、その時の表情を楽しもうぜ! ってことさ」
「なるほど、それは面白そうだ……」
目的を共有したところで、作戦を立てる。
「準備ヨシ、作戦ヨシ、あとは決行するだけ!」
「バレてないよな?」
「もちろん、こっそりやってたからね。調査によると今日はこの通路を通って部室に来るはずだから、びっくり罠とカメラを仕掛けたぞ。タイミングを見て発動させればびっくりすること請け合いだよ!」
まぁ、びっくり罠の詳細はわからないが、この自信ならうまくいくだろう。
「お、来たぞ」
講義をさぼって部室でモニターを見ながらシルデアが来るのを待っていると、講義が終わって通路に現れた。
「びっくり罠作動!」
ポチッとスイッチを押して罠を起動する。
瞬間、光と音が炸裂した。これならばびっくりするだろう。
「表情は!?」
「お、これはびっくりしている表情じゃないか? 成功だ!」
モニター越しに見えたシルデアの顔はコミカルな驚きの顔で、びっくりしていることは間違いないのだが、今回の作戦の目的ってこういう感じだったっけ?
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