第1301話:フリバ・ガイント~なろうと思うこと~

「そのうち店を出そうと思うんだ」

「へぇ、いいじゃん」

「まじめに聞いてる?」

「聞いてないよ、まじめにはね」

「真面目に聞いてよ、お店を出すなんてのは大きなことなんだから」

「いやなに、真面目に話してるとは思わなかったからさ」

「真面目よ真面目、大真面目」

「そうか、真面目な話だったのか。じゃあ聞くけど、何の店を出そうと思っているんだ?」

「それは今から考えるのよ」

「ほぉ……」

「フリバは何の店がいいと思う?」

「店を出さない方がいいと思う、何をやってもうまくいく未来は見えない」

「えー、なんでさ。真面目に聞いてよ」

「真面目も真面目、大真面目だよ」

「じゃあ一緒に考えてよ」

「考えるまでもない、何をやるかも考えずに店を出したい等と、絶対にうまくいかない」

「そうとも限らないでしょ」

「そんなものでは何をやるかが決まっても絶対に店を出すところまで行く前に飽きる。君が言う「店を出したい」は店を出したいと言うだけで、本心では店を出したいなんて思ってはいない。さしづめ店を出すってかっこいいな~程度の思いだろう」

「そっ、そんなことないもん! ちゃんとお店やりたいと思ってるもん!」

「そもそもだ、店を持つとは場を持つということであってだな、場を必要とする何らかしらの目的が先に来るものだ、まず場だけ整えても何もできんだろうが」

「ぐぬぬ」

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