第1300話:ウルジ・ガンドム~時間を稼いで~

「おいおいまだかよ!」

「まだだ、そうやってせかすたびに数秒後れると思え」

「俺もかなり限界なんだが???」

 うっかり巣をつついて獰猛な鳥の群れに襲われてるんだが、連れが策があるとか言って後ろに隠れて今は一人で耐えている。

「そろそろ限界なんだけど~??? 聞いてる~???」

「全然聞いてない、話しかけないでもらおう」

 だめだな、一人で何とかしないといけない。

 まっすぐと速い鳥が次々と飛んでくるもんだから一匹一匹狙って叩き落とすのは無理、隙ができてやられる。

 だから飛んできた奴を片っ端から弾いてずらすぐらいしかできない。

 時間を稼ぐというか、こうしなければ生き残るので精いっぱいなんだよな。

「……!」

 まだかと声をかけようと思ったが、まだ後ろで集中している気配を感じるので声には出さない。

「あー、もう。何とかするしかないな!」

 声をかけるわけでなく、気合を入れるために叫ぶ。

「うおー!!!」

 飛んできた鳥を武器を持ってない方の手で掴みこん棒代わりにして手数を増やす。

 これならなんとかまだ耐えられる、準備が完了するまで何とか凌ぎきるぞ!


「よし、待たせたな。準備完了だ」

 ようやく、後ろから準備が完了したという声が聞こえてきた。

「はぁ……、はぁ……」

 息が切れていて返事ができない。

「よくやってくれたな」

 そう、後ろから出てくるところでようやく息が整った。

「遅い、もう凌ぎ切った。その準備はもう片付けて、おぶって帰ってくれ……」


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