第1267話:シャチ・リョウ~なんとか効果~
「うーん? なんだっけ? イリテュム効果……? 違うな、しっくりこない」
「なんだいだい、何の話だい?」
「ああ、いいところに来た。どうしても思い出せない言葉があってさ、わかるかい?」
「わかるわけないだろう、まずはヒントをくれヒントを」
「なんとか効果ってことはわかるんだけど、何効果か全然出てこなくてさ……」
「なんとか効果か……、どういう感じの効果だい?」
「それもここまで出かかってるんだけど、出ないんだ」
「デッドロックしてないかい? 言葉も意味もどっちかがわからないと推測しようがないだろう」
「だから言葉を先に適当に浮かべてしっくりする言葉だったら目的の言葉じゃないだろうかという考えの元いろいろなんとか効果っていう言葉を挙げて考えてるんだ」
「なるほどね、知りうる限りの効果が付く言葉を挙げていってみようか」
「ジェーバ効果」(右足と左足の長さが違う時に脳が自動で補完すること、またはその際に同じ長さだと錯覚する効果のこと)
「違うなぁ」
「フィガルクロ効果」(異郷の人と話しているうちに自分もそちらの出身であると無意識に勘違いすること)
「しっくりこない」
「ファーガー効果」(一日の内に何度も寝ることで昨日と今日の境界があいまいになる現象)
「うーん、知らない言葉だ」
「やっぱりノーヒントで当てるのは無理があるよ、何かきっかけだけでも思い出せないか?」
「喉元まで出てきてるんだけど、ポンと出てこない……」
「まるで舌先現象だな」
「それだぁ! 意味は今この時のようにここまで出てきてるのに全然具体的な言葉が出ない現象!」
「効果じゃないじゃないか……」
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