第1257話:キビ・カリヤ~記号的北~
「カリヤ~、北ってどっち?」
「北かちょっと待て」
「あっちだ」
「ふぅん、ありがとー。ところで、北ってなんの向きなの……?」
「そりゃあ、北っていやぁ星極点を指す……」
いや、違うな。
星の大地がある世界ならそうだけど、この世界で北って何を基準に定められた方角なんだ?
日の上る向きの逆ってこともない、日はグルヴェートの直上にあるし、グルヴェートか、でも北はある。
あそこが北極点ってこともない。
ならば定められているだけで基準を持たずに定義されているだけの方角なんだろうか。
「すまん、ちょっとそれは俺にはわかんねぇ、調べてみるか」
調べれば北の所以も出てくるだろう。
北はチュグロア式方角決定法により定められた基準を満たすエンデカルロパルテを元に定義される。
調べてもわかんねぇなこれは。
チュグロア式方角決定法っていう方角を決めるルールがあるのはわかったが、それに定められてるエンデカルロパルテってのが全くなにかわかんねぇ、画像は見たがなんなのか全くわからない。
占星術の類いでないことだけはわかったが、なんにもわからない。
「なるほどこのエンデカルロパルテを回すと北に集束する図形が出力されるんだな!」
「なんでわかるんだよ」
「見たまんまじゃないか、どの星が北極星なのかを考えるよりも分かりやすい簡単な基準だと思うよ」
そうだろうか……
謎は解けたが納得はいかない、他に考え方はないだろうか。
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