第1235話:ユウショ-パリスト~袋の中の宇宙~
「袋を裏返せば袋の中に宇宙をしまったのと同じようなことだとは思いませんか?」
突然話しかけられて、そんな問いかけを投げ掛けられる。
「それは違いますよ、袋の裏と袋の中は違います。裏返してみたところで袋の裏が外に向いただけで、依然として袋の中は袋の内側に収まっていますよ」
辻問答かと思って返してみれば、そのままなにも言えずに退散してしまった。
あり得ないことをさもそうであるかのように語り、何かに勧誘しようとしたのかもしれない。
結構それらしくできた理屈で騙される、いや、騙されるというのは正確ではないな。
それが真であるかのように信じてしまう人は多い。
いやぁ、確かに嘘じゃない、嘘じゃあないんだが、正しい話ではないというか、それを真か偽かで考えるのに都合がいい議題というか、どう解を出してもしっくり来ない、そういう話のはずなんだけど、どういうわけか常識的でない結論が支持されがちだ。
何でだろうなぁ、常識的でないってことはどちらかと言えば信じられないはずなんだけどなぁ。
自信満々に提示されると意外と信じてしまうものなのかもなぁ。
常識的でないは信じられないを内包しているようでそうではないのかもしれない。
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