第1222話:フィガ・ヨロイド~タイミングよく~
「タイミングが良かっただけです」
かつて世界を3度救ったことで知られる、フィガ・ヨロイド氏はそう語る。
「どの時も、私は決定的な行動をして英雄として祭り上げられましたが、自分は目的があってそれをしたわけではないんです。ただ、その場にいてそれができたのが私だけだった、それだけなのです」
運だけでこの功績はすごいですよ。
「あー、いや運だけではないです、一応実力は磨いてあったので……、まぁ運もあったのかな。僕はあまり役に立つ技術を持っていなかったから、タイミングが来たのは運か」
確かに決定打になったのは世界の戦いを決するにはいささか不思議なことでしたね。
「僕がそれで活躍したおかげで結構流行ったんですけどね」
2度目3度目で違うことが決め手になりましたよね。
「それは本当に偶然、僕の趣味とか、専攻していた知識とか、最初はなんでしたっけ?」
昔読んだ本にのっていた知識が偶然使えたんですよ。
「ああ、そうだったそうだった」
世界を救った時の他にタイミングが良かったことが多数あったという話でしたが、何が一番タイミングが良かったと思いますか?
「あぁ、それはやっぱりアレですね。ほら、僕が寿命で死んだ直後にまた世界の危機が訪れたらしいじゃないですか」
はい。
「あの危機は僕の持っていた技術や知識ではどうにもならなかったので、あの世界の危機が来る前に天寿を全うしたことが最高にタイミングが良かったと思います」
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