第1134話:ミール・ココノエ~世界間双子~
「あなた、私によく似てる」
「確かに、不思議なくらいよく似ている」
ある日出会った彼女は、まるで鏡を見ているかと思うぐらいに私にそっくりで、私も同じ感想を抱いたようだった。
「あなたの名前は?」
「フルベ・コウハ、あなたは?」
「私はミール・ココノエ。どうやら私はあなたではなさそうね」
「そうみたいね」
この世界ではたまに同一人物が複数いることがある。
私が知らないだけで、彼女が別の私である可能性を考えていたがそうではないらしい。
聞けば生まれも私とは別の世界らしく、関係は無いように思えた。
ただの他人の空似だろう。
「生まれた時に死んでしまった双子の姉がいる」
心当たりをお互い話しているときに、彼女はそう言った。
「私も、生まれた時に死んでしまった双子の妹がいるんだけど……」
驚愕の一致だ、そうなるとこれは生まれる前に死に別れた妹が別の世界で生まれてて今ここで再会したということになるのだろう。
世界を超えて生きていた双子だったのだ。
「ちょっと待って」
「どうしたの?」
「私にも生まれた時に死んだ姉がいて、あなたにも生まれた時に死んだ妹がいるとなるとおかしくない?」
「何が?」
「だって、どっちかが死んで別の世界で生まれなおしたとしたら、そっちには双子の姉妹はいないはずじゃない?」
そういえばそうだ、双子の死んだ方の片割れが別の世界で生まれなおしたとしてもそっちにまで死んだ双子がいたらそっちで死んだ方の双子は一体どこへ行ってしまったのかということになる。
「じゃあ私たちの関係って?」
「さぁ、双子ってことでいいとは思うけど……」
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