第954話:サスキ・トブロン~嘘の信頼~
「ちょっと前に噂で聞いたんですけど、この世界で死んだあとも実はこの世界に生まれなおすらしいですよ、一度先輩、試してみません?」
「いや騙されねぇよ? そんなんやったら取り返しつかないことを「ウニに醤油をかけるとプリンの味になるらしいですよ?」みたいなノリで試すのを提案するのやめてくれねぇ?」
「えぇ~先輩なら試してくれると思ったんですけどなぁ」
「俺お前の提案で一度でも試したことあったっけ?」
「無いですけど、毎回「今回のは試してくれるかも?」と思って提案してるんですよ?」
「てーことはあれか? お前は俺に死んでほしいと?」
「そういうわけじゃないですよ?」
「じゃあどういうことだよ」
「そりゃあ、先輩は騙されないですから。どこまで話を積んだら騙されてくれるのかなぁって思って、試してるんです。いっつも」
「信頼されてるってことでいいのかね」
「いやいや、信頼なんてとんでもない。先輩のことを疑っているから、こうやって試してるんですよ」
「そーかい」
「あ、信じてないですね?」
「そりゃあお前はうそつきだからな」
「ひどーい!」
「ひどいのはお前だ、せめて命の危険のない嘘をつけ。前だってなぁ……」
「はいはーい、反省してまーす」
「嘘つけ、全然反省してないだろ」
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