第858話:フジ・ラマカイ~記憶にある店~
「ここって来るの初めてだよね?」
「そうだよ? 来たことあるの?」
「いや、僕も初めてのはずなんだけど……不思議と見覚えがある気がして」
「え~? 忘れているとかじゃなくて?」
「そもそもこのお店が最近できたばかりだよ、来たことがあって忘れてるなんてことはないはず……」
「ふぅん、似たようなお店に入ったことがあるとかじゃない?」
「かなぁ……」
「うん、この世界ってお店もいろいろあるけど、たまにすっごいそっくりなお店あるじゃない?」
「そういえばたまに同じような看板を出しているお店を見かける……、そういえば、たまにすっごい似てる世界があるって話を聞いたことがあるんだよね、もしかしてそういう世界から来てる人がどっちもお店を出してるのかもしれないね?」
「そういうこともあるのかも、なるほどなぁ」
「異世界の自分?みたいな人がライバル店出すんだもんなぁ……、なんだかおもしろいな」
「注文お伺いします」
「あ、じゃあフスを」
「私もそれで」
「承りました、少々お待ちください」
「今の店員さんに見覚えは?」
「ないなぁ、やっぱり違うお店なんだよ」
「でもお店の人も近い世界の人だから似てるかなって思ったんだけど」
「全然見覚えが無かった、でも」
「でも?」
「服はなんとなく覚えてるのと同じだと思う」
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