第820話:ムグシム・ハンクル~焼き菓子バトル~
両の手に握りしめた棒で、相手の頭部を狙って突き合う。
打ち、払い、バランスを崩したところを突く。
棒はもろく、強く打てば砕けてしまう。
なかなか難しい戦いだ。
「特殊ルールでの0/打ち合い?」
「そう、最近異世界の文献で見たんだけどな、棒状の焼き菓子を武器にして折らずに相手の口に突っ込んだ方が勝ちというルールだ」
「焼き菓子??? なぜ???」
「さぁな。読んだ文献の著者もまた聞きだったらしくて詳しいことはわからないんだが、何か意図あってのものだとおもう」
「やってみたらわかるかもと?」
「そういうこと」
という流れで、どこからか用意されてきた大量の焼き菓子を2本ずつ持って戦っている。
「これ、武器が脆いから力加減とか慎重になるし、結構訓練になるな」
「そうだけど、なんか違う気がしなか? これ訓練じゃなくて遊びなんじゃなかったのか?」
「訓練と遊びは紙一重という話もある」
「そういうもんかなぁ……」
「そういうもんだよ、隙あり!」
油断した時、口に焼き菓子を突っ込まれた。
「よっしゃ! 俺の勝ちだな」
「これ……、普通に突っ込まれたら痛いし、動き回ってたら口の中パッサパサになるんだけど……」
「なるほど、それは罰ゲームっぽい……やはりこれは訓練なのでは? もうちょっと続けてみよう」
「続けるのはいいけど、まず飲み物を飲ませてくれ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます