第796話:ミーダラ・オグラン~砂占い~
「やぁそこ行くお兄さん、ちょっと占われてはいかないかい?」
辻占い師か。
珍しい、占ってもらうか。
「占いの方式は……」
「うちはこれですね、砂占い」
「砂占い」
「まぁこれはあれですよ、砂をこうこの台の上に撒いてもらって、それを見て占うっていうね」
「そんなことで占えるのか?」
「まぁ占いはね、世界の乱数を表示させてそっから他の情報を読むみたいなものだから意味を付けて乱数を参照できるなら何でもいいんだよね」
「それで砂ですか」
「そうそう、見る方もこれ使えばかなり詳細に見えるからね、だいぶ当たるんだよこれ」
そういって何やらごてごてした機械を出してきた。
「これは……?」
「うん? 砂塵観測装置、この占いで使う砂を素粒子単位で観測して占いデータベースにアクセスしてね。占い結果を出してくれるのさ。まぁ物は試しさ、ほら砂を撒いてくれ」
促されるままに砂を撒く。
台の上に一見無秩序に砂が散らばった、何かを暗示した模様には見えないが何かを読み取れるのだろうか。
「ふんふんなるほど、なるほどねあーなるほどなるほど、いいねぇ、うん?いやーこうくるかぁ」
なにごとかぶつぶつとつぶやきながら砂を見ずに機械の表示を見る。
「まぁ運勢の方向としては悪くないね、具体的には~」
とそのあと言ってない悩みとか苦労とか、この後楽しみにしていることの結果は「言わない方がいいか」と濁されたりして引くほど詳しく教えてもらった。
「なんでそこまでわかるんですか……?」
「砂占いだからねぇ、一応バーナム効果みたいなのを疑われるけど、そういう心理効果みたいなのは関係ないよ」
砂を撒いただけでそこまでわかるのは怖いな。
「まぁ占いだからね、話半分ぐらいで聞いておくといいよ」
占い師の彼はどうだろうね、という表情で笑った。
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