第759話:バルソ=アダグラ~ポーターの話~
俺はバルソ、バルソ=アダグラ。
魔物ハンターのポーターをしている。
ポーターが何かって? そんなもんは適当に調べるかなんとなくで理解してくれ。
今日はとあるハンターに雇われた時の話を聞いてほしい。
「バルソさん、次の剣よこして、3本ね」
雇い主が俺が隠れている岩の向こうから指示をよこしてくる、影から覗き込んで見るとまだ両の手に1本ずつ剣を持っている、右の剣は柄だけになっているが。
「はいはい種類は、どれでもいいですね」
「早く」
「はいはいお待たせですよっと」
雑多に鞄から取り出した剣の持ち手側を向けるとするりと3本が順番に俺の手から抜け、2本の柄が返ってくる。
いや、もう1本足で蹴飛ばしてこちらへよこした。
「よし、討伐完了だな」
戦闘の音が止んで、雇い主が戻ってきた。
柄だけになった剣が2本だ。
「消費した剣は7本ですね、残りは59本ぐらい? もうちょっと節約しないと持ちませんよこれ」
「うーん、まぁ剣が脆いのが悪いんじゃないか?」
「じゃあ耐えられる剣揃えましょうよ、たぶんあるでしょ。ていうか、1戦でこの量の剣を1人で消費する人初めて見ましたよ」
「いや、投げたりもするからな。高いのは無くしたときに痛い」
「投げる用は投げる用で別に用意してですね」
「いや、どれがどれかわからなくなるからさ、前に聖剣ってやつ、あの何千年も聖域に置いてあった剣を間違えて投げちゃってさ。いやぁ怒られたよね」
「その聖剣とやらは存じないですが、大事な剣を間違えて投げた経験からそういう感じにしてると」
「そういうこと」
はぁはいはい、失敗に学ぶのは良いことですがね、
「間違えないようにする努力とかはするつもりなかったのかなぁって思うんだよなぁ、本当に」
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