第724話:アクライ・ポニー~ウォンテッド~

「おいおい、それ本当か?」

「本当だって、俺は見たんだよ」

「にわかには信じられないなぁ。具体的な話を聞かせてほしい」

「おうおう、じゃああっちに行こうじゃないか」

 人が多い酒場ではいろんな話題が飛び交っている、明るい話題から物騒な話題も、一人で泣いてる奴もいる。

「おいおい!こいつアレを見たってよ」

 1人が大声で。周りに呼びかける。

「アレってなんだよ」「アレってアレか?」「ここでアレって言ったらよぉ」

「アレって言ったらアレだよ、メラブニカだよ」

「メラブニカ?」「なんだ知らねーのか?」「アレだよアレ」

 周りにいたやつが壁に貼ってある紙を指す。

【メラブニカ】捕獲者には1000万パソ。

 そう書かれていた。

「あれだけか?」

「あれだけ。アレだけだが、ここではいろいろ情報が飛び交っててな,メラブニカを見ただの、メラブニカは異世界の古代兵器の名前だの、人名だの、まぁまぁいろいろな話があるわけだ、まぁこの広い世界だしそういう名前のなんかはいるんだろう」

「なんだよ、俺はメラブニカを見たんだぞ!」

「姿もわからねーもんをどうやって見てメラブニカだって判断したんだよ」

「だってよぉ、メラブニカって名前が書いてあったんだよ、こりゃあメラブニカに間違いないだろ」

「あー、そりゃ俺だ、名前出してたら寄ってくるかなと思ってよ」

「なんだお前、お前だったのかよ!」

「ちゃんと言ってからやれよ!」

「そんなことしるかよ!」

 喧嘩が始まった。

 いつも騒がしいなこの酒場は。

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