第716話:タマエ-リコラⅡ~透け透け~

 どういうことなんですか、この世界見える人多すぎじゃないですか。

 泣いちゃいますよ!涙も透明で自分には見えないけど泣いちゃいます!

 私に見えない涙が見える人が結構いるのなんなんですか!ていうかなんで私の周りに集まってくるんですか!

 え、私が可愛いからですって……?

 自分の顔を自分で見たことないからかわいいかどうかわからない……

 え、描いてくれるんですか?

 わー上手ーい!あなた絵がとてもお上手ですね!

 え、あなたも描いてくれるんですか?

 うわぁ、あなたも上手いですね……ていうかかわいい……

 この子可愛いですね、あ、これ私か、私ってこんな顔なんですね!

 すごい……これはかわいい……

 そりゃあ皆さん寄ってきますよね、しかも皆さんにしか見えないんですもんね、うんうん、これは私が透明人間じゃなかったら世界規模のアイドルになっちゃうところでしたよ。

 透明人間が見える人だけのアイドルでいてあげますよ。

 え、そういうのはいい?

 そんなぁ、じゃあどういうのがいいって言うんですか。

 そのままでいい?

 あとどうせ見えてないからって思って涼しさ重視で服装を決めるのはやめた方がいい?余計なことは言うな?

 あー、なるほど?

 そうですか、あー、はいはい、そういう話ですね、わかりましたよ。

 ちょっとスケベな目的で集まってたわけですね。

 なんです?恥ずかしくないのかって?

 別に見えないですし、薄着は恥ずかしくないですねぇ、顔が見えるだけでもだいぶ恥ずかしかったですけどもう慣れちゃいましたし……

 え、なんですかその残念そうな顔は、なんなんですかあなたたちは!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る