第715話:クアムザ~ボーリング~
カッコーン!
小気味いい音を立てて重い球が10本のピンを次々と倒していく。
「どうだい? これがボーリングってもんだ」
「ううむ、沢山倒せると楽しいが難しいなこれは」
友人の誘いでぼーりんぐというものをやっているのだけど、これは難しい。
重い球をまっすぐ投げるだけでも難しいというのに、それを遠くに置いてあるピンに上手い角度でぶつけないといけないというのが更に難しい。
「コツがあるんだよ、まぁカームならすぐに慣れるだろ。よっ、しストライクだ!」
タケヒトは一回で10本のピンをすべて倒してガッツポーズをする、慣れの問題か、そうか。
「お、いいコースなのではないか!?」
「確かにいいコースだけど……」
タケヒトが言うように、ボールは真ん中のピンに当たったものの、真ん中だけが倒れて両端の3本が残った。
「のうタケヒト、あれはどうやって倒せばいいのじゃ!?」
「あーあれは初心者では2本の方を狙って1本は諦めたほうがいいかなぁ」
「ううむ、なるほど……」
1本はもったいないが諦める方が良いか……
仕方あるまい。
「とりゃー!」
投げたボールは3本の間を抜けて一本も倒すことなく、闇の中へと吸い込まれて行った。
「これは、どう考えても難しいのでは!?」
「まぁ、難しいよこれは」
「かくなる上は念力でボールを……」
「それはズルだからやっちゃダメ」
ううむ、ズルか……
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