第568話:ポムロール×メタニア〜グランドボウル〜

 大きな石のボールを抱える。

 重いがつかむ穴があるので、なんとか安定させられるが足元はふらつく。

 そのままふらつく足をなんとか制御してボールを的に向かって放り投げた。

 腕を振り子のようにして飛んだボールは大きな力を持ったままガロゴロと転がっていき、的の中央から左に少しずれた辺りにぶつかって大きな穴を開けた。


「うーん、70点」

 ちょっと右を狙うべきだったな……。

 新しい的が自動で降りてきて、待機中になる。

 それを確認した私は手元まで戻ってきたボールを再び構えて放り投げる。


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 ・

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 本来は20回連続で的を砕くこの競技だけども現在12投、すでに腕が上がらなくなってきていた。

「お、どうした? もう投げられないか?」

「もう無理だって……なんでこのボールこんなに重いのさ……」

「石だからな、あの的を砕くにはこのぐらいの重さがいるんだ」

「意味わからないんだけども、もうちょっといい素材ぐらいいくらでもあるでしょ」

「そりゃあこの競技発祥の世界の文化レベルが石を球状に削ることに特化しすぎているからな、軽くて破壊力のある素材なんて加工できるものじゃあないのさ」

「だからって、わざわざこれを投げて的を砕く競技をそのままこの世界で実装するのは無理があるんじゃない……?」

「そうかもしれないな、考慮しよう」

 ゲームスポーツ発掘研究は今日もうまくいかない。

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