第450話:ノーエン=ライタ~夜に鳴く鳥~
ピチュピチュピチュ
変な音が聞こえる。
「なんの音だ?」
「鳥だろう」
「こんな夜中にか?」
今は太陽の火も落ち、ほとんどの者が眠る夜。鳥が鳴くには遅すぎる時間だ。
「夜に鳴く鳥もいるだろう」
「この辺にはいなかった、現に今初めて聞いた」
この時間にそとから聞こえてくるのは虫の音ぐらいで、その音を聞きながらちょっと晩酌をするのが好きなんだ。
「新しく涌いてきたのかもしれないだろう」
「その可能性はある、しかしお前、何か知っているだろ、隠していると言い換えてもいい」
さすがに態度があからさますぎる。
このピチュピチュいう音への疑問を無理矢理納得させて終わらせようとしているようだ。
「なんのことだ」
「さぁな?俺にはわからん、隠されているからな。で、この音はなんだ?」
「夜に鳴く鳥だよ」
「そんなものはここらにはいないと言っているだろう」
「だから問題なのだ、だからいることにしておきたかったのだ」
「どういう意味だ」
「夜鳴き鳥で調べてみろ、私はもう寝る。もう遅いかもしれんがな」
「なんなんだ?」
彼はさっさとあてがわれた寝床へと入っていた。
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