第449話:ケロアライム~動物の力加減~
パキョッ
「しまった……」
また潰してしまった。
どうにも力加減が難しいな。
小動物を飼おうとするといつもこうなる。
握るときにどうしても力が入りすぎて潰してしまう。
これで、6つ目だ。
「なにか、ちょうどいい力加減を練習する方法はないだろうか」
「……何が?」
昼食、僕よりも力加減が得意な友人に相談してみることにした。
「いや、俺ってこう、力加減とか苦手なんだけどさどうしても小動物を飼いたくてさ。練習しているんだけど上手くいかなくてね?」
「そういえば、お前そうだったな。動物好きだったもんな」
「ああ、前の世界では諦めていたけどこの世界なら上手く何とかなるんじゃないかって思ったんだけど」
死ぬ前のことを思い出す、撫でるだけで無くなってしまう頭部思い出すだけで悲しくなる。
「でも最近は頭潰さない力加減覚えたって言ってなかったか?」
「たぶん頭がつぶれないんじゃないかって力加減、まだ怖くて試せてないんだ」
「まぁ、それが賢明だな。んで、今はなんの力加減を練習してるんだ?」
「餌の缶詰を開ける力加減だ、あれはむずかしい」
昨日も6つ開けようとして潰してしまった。
「ああ、あれは難しいよな。力を入れなければ缶は開かないのに、入れすぎると潰れてしまうからな」
「いくらでも試せるのはいいんだが、本当に難しい。あれをマスターしなければ餌を与えることもできないからな」
「いや、別に缶を潰しても餌はやれるだろう」
「それもそうか。でも部屋が汚れるから練習しておくことにするよ」
「そうだな、それがいい」
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