第430話:皇勇人ⅩⅦ~ステータスパネル~
「これをどうぞ」
「なんですこれ?」
魔物ハンターギルドで黒くて薄い板をもらった。
なんだか、見たことがあるような気もする。
「これはですね、ステータスパネルです」
「ステータスパネル」
なんだか聞いたことがあるを通り越して嫌な予感がしてきたぞ。
「登録した人のステータス、つまりは能力値ですね、技能やら能力といったものを数値化できるものらしいです」
「はぁ」
やっぱり知ってる気がする。
「最近、量産の目途が立ったらしく、うちでも何人かに試してもらうことになったんですよ」
「で、どう使うんです?」
「ええとですね、この辺りに浮かべて頂ければ勝手にユーザー認証をして、手前側に項目と数値が浮かび上がるはずです」
「浮かべる……?」
「こうです、こう」
受付の人はもう一つ取り出したパネルを持ち上げて、離す。
すると、どういうわけかわからないが、まぁその程度のことはこの世界ではあまり不思議ではないがステータスパネルは浮かんだ。
「それ、邪魔じゃないですか?」
顔の左前辺りに浮かぶパネルは相当視界を塞ぎそうだ。
「認証さえ終われば、こうやって消しておけるんですよ。便利です」
そう言うとスゥっとパネルは消えた。
便利、便利、いやこれ便利かなぁ?
「ほらハヤトさんもやってみてください。ステータスは数値の基準を割り出すために記録しますので申請してくださいね」
「え、記録するんですか。低いと恥ずかしいなぁ」
「さぁほら早く」
せかされて、さっき教えてもらったように目の前に掲げて離す。
カラーン……
「おっと、落としちゃいましたね。もう一回」
カラーン……
何度やっても、パネルは浮かばなかった。
「なんですかね、不良品?」
「うーん、こちらを試してみてください」
先程まで受け付けの人が使っていたパネルをよこしてくる。
カラーン……
「人によっては使えないこともあるみたいですね」
「これ、僕はステータス測れない程低いとかそういうことじゃないですよね」
「さぁ、どうでしょう?」
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