第411話:マニアム・ローラス~格闘VS魔法~
驚いた、魔法というからにはもっと発動に手順があったりするものだと思っていたが、まさか銃だとは。
狙いが甘く、威力も(普通の奴が食らえば大怪我するだろうが)大してない。
この程度なら、問題はないな。
砂煙の中で腕に力を集中し、耐えながら隙を探す。
少し耐えていると連続していた衝撃が止まる。弾切れのようだ。
チャンス、先ほど取り付けているのを見た弾倉のようなものに予備があるのだとして、今飛び出せば手を遅らせることぐらいできる。
女の子を痛めつける趣味はないが、適当にひっつかんで場外に放り出してやろう。
そう、飛び出したら慌てた様子もなく、こちらに笑みを向けたと思ったらを、スカートの中から青白く光る、弾倉と同じ色をしたボールがいくつか転り出てきた。
なんか、これやばいんじゃないか?
足を止め、下がろうとするがこちらに向かって蹴り込まれた、ヤバい。とりあえず、ガードだ。
ボールは派手な光をまき散らしながら破裂したが、ダメージはない。
ちぃ、コケ脅しか。
ひるんでいる隙に、弾倉を取り換えられてしまい、赤いドレスの少女はまた射撃体勢に入っている。
撃たれるが問題はない、先程と違ってしっかりと狙いはつけられているようだが、この程度の弾は先ほどと同じように弾き返せる。
さて、あとは掴んで放り出すだけだが……
ん、なんだ?歌か?
いや、聞いたことがあるな、魔法を使う時にはこういう歌を必要とする場合があると。
まずいな、止めた方がよさそうだ。
がしかし、弾をはじきながらでは上手く捕まえられない。
そうこうしているうちに、歌は最後に強い音を持って絞められた。
最初に熱を感じた、次に光が見えて先ほどのコケ脅し爆弾とは違うというのも感じた。
少女の方を見ると既に気を失っている、これは制御できていなさそうだ。
判断に要した時間は一瞬も無く、爆発が広がり始める前に少女を腕に抱えて爆発に背を向けた。
間一髪で爆発を背で受け切り、多少の火傷は負ったが大したことはない、すぐに治る。
試合には勝ったし、少女も無傷。
多少ドレスが汚れてしまったようだが、怪我がなかったのだからいいだろう。
まったく、なんでこんなのでここへ来たんだか。
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