第244話:アパンブ〜ランダム×ランダム〜
分かれ道、分かれ道、分かれ道と何度も何度も分かれ道を越えてきた。
平たく言えば迷った。
ここは迷路なんだから迷うのはあたりまえなんだが、うっかり迷いすぎた。
立体ループ迷路をなめすぎたな。
壁に手をついて歩けば絶対に出口にたどり着けるなんて思ってたが、この迷路、複雑さがとんでもない。
平面だけではなく、上下にも移動するし入る前の説明によると物理的に接続されていない部分が湾曲して繋がっているらしい。
予想よりも複雑だった。
テロン街に慣れた俺ならばすぐにゴールにたどり着けると思ってたが全然だめだ。
助けを呼べばすぐに出られるらしいがなんだか負けた気がするというか、普通に負けけなので呼びたくない。
そういう意地を張って死んだ人も何人かいると聞くが、何とかなるだろう。
限界ギリギリになったら助けを呼ぶ。
死んだら負けだしな、同じ負けなら生きてる方を選ぶ。
限界ギリギリまでは選ばないけどな。
さて、どうしたものか。
適当に歩いても出られなさそうだし、何か方法を考えなければ。
マーキングは禁止だし、マッピングが順当なところか?
歩いたところだけ地図を書いていく。
それでいくか。
結論マッピングは失敗だった。
そもそも三次元的に成立しない構造の迷路だ、地図を書いたところで現在地がどこなのかわかることもない。
「もうこれしかねぇかな」
色々と迷路の攻略を考えたが最終的にはもう運任せだ。
完全に自分と切り離された存在による意思決定、つまりは機械的ランダムによる選択だ。
分かれ道に遭う度にランダムでどの道を選ぶか決める。
機械的ランダムの方が自分で選ぶよりもうまく行きそうな気がするしな。
結果としては負けた。
ランダムはダメだ。
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