第236話:マウェル・カムラ〜隣人戦争〜
失敗した気がする。
なんで集合住宅タイプの家を選んでしまったのか。
隣人との付き合いが面倒くさくてしょうがない。
最初に選ぶのは自由だが、引っ越しとなるとやはりその分少しだけだがお金がかかる。
そのために働くというのもまた面倒だ。
隣人からかけられるストレスによって入院して医療費扱いで引っ越しさせてもらった方がマシなレベルで面倒だ。
ん、逆に考えるか。
迷惑な隣人を引っ越しさせよう。
こちらも迷惑な隣人を演じ、相手にストレスを与えて引っ越しさせる。
これだ。
翌日から始める。
まずは大音量で音楽を流す。
一日中一晩中、それを連日で。
前に住んていた世界ではこういう隣人の流す音楽がうるさくて引っ越した人の話が大量にあったらしいし、効果的な手法なのだろう。
数日たって効果が実感できなかった、朝出かけていくのを見たが、特に気にする素振りもない。
というか、この方法は俺が先におかしくなる。
常時大音量で音楽をながし続けるのはダメだ。
次はご近所トラブルの定番ゴミ出しを守らない隣人。
と思ったけどゴミ出しの日とか決まってない。
この世界はハイテクすぎる。
次。
鳥に餌やり、これでいこう。
支給食から鳥に奪われたことがあるものを選んで部屋の前の通路に撒く、
うん、鳥が集まってきた。
いいぞ、その調子で集まってきて糞をばらまき、隣人を嫌な気分にさせるのだ。
その晩、隣人が部屋にやってきた。
なんだ?「迷惑なことは止めてくれ」と言いに来たのか?
いいだろう、それならばこちらの答えは「嫌ならば出ていけばいいだろう、それとも引っ越しもできないほど金がないのか?」とでも言ってやろう。
「やぁ、今日は鳥肉がたくさんてに入ってな。鍋にしたんだが、ひとりじゃあ食べきれないから貰ってくれ」
…………なんだって?
こいつは自分が無計画に作ったものをいらないからと他人に押し付けるような奴なのか。
ますます許せん、絶対に追い出してやる。
明日からは何をしてやろうか。
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