第214話:ルクニオス〜分かれ道〜

 地図を持たずにぶらり旅、気づけば洞窟の中の道を上っていた。

 そして、上りきったところには分かれ道があり、この分かれ道をどちらへ行こうかと悩んでいるところだ。

 風の吹くまま気の向くまま、と言いたいところだが、洞窟の中で風は吹かないし気も進まない。

 右か左か、どちらに進もうか。

 右はなんとなく獣のうなり声のようなものが聞こえる。

 左はなにやら湿っぽい。水の音も聞こえる。

 正直どちらも行きたくない。

 右には恐らく大型の獣、なぜこんな場所にいるかはわからないが迷い込んだのだろう。

 現に俺も迷い込んでいるのだし。

 危険な獣の可能性もあるし、できれば右は行きたくない。

 そして左、この湿り気と水音から察するに川か。

 洞窟の中で川があるとなると、行き止まりの可能性もあるな。

 濡れたくないしなぁ、行きたくない。

 しかし、こう比較してみるとやはり水の方がマシか。

 とりあえず左へ行ってみるか。



 案の定、川があって水で洞窟は行き止まりになっていた。

 仕方ないので戻ってくるとまた分かれ道があった。

 右の道は下り坂になっている。見た感じ歩くのは危なそうだ。

 左の道は、獣のうなり声。

 さて、どちらへ行くべきか。

 まぁ、気を付けて歩けばなんとかなるだろう

 右の道へ行くことにしよう。

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