第187話:ミーク・ティム〜転生は敵国の洗脳作戦だ!〜
私はミーク・ティム、軍人だ。
先刻、正確に何時間前かは不明だが敵の攻撃を受け、現在捕虜として捕らえられている。
訂正、捕らえられているという表現には語弊がある。
現在、私の五体は拘束されているわけでも監視がついているわけでもない。
そして、行動を制限する隔離ブロックに閉じ込められているということもない。
施設内の特定区画を除いて自由に行動が可能、それどころか外へ行くことも許可、そもそも禁じられていない。
その状況のどこが捕虜として捕らえられているという表現に繋がるのかというと、ここで気がついたときにされた説明だ。
「あなたは死んでこの世界で生まれ直しました」
馬鹿にされているのでないのだとすれば、洗脳の類いだ、恐らくこれを認めなければ様々な手法を用いて信じこむようにさせられていただろう。
それを察した私は信じた振りをした、そうすることですぐに解放されたのだ。
おそらく人体実験の被検体にされ、死んで生まれ変わったと言う洗脳を施し自国民にするつもりなのだろう。
しかし、肉体も子供のものにするとは、この国の技術力も侮れないものがある、これを見たら確かに死んで生まれ直したという話にも説得力が生まれるというものだ。
そして、今は施設内を歩き回って敵情視察というわけだ。
人は多いが、私を監視しているような気配はない。
恐らく彼らの中にも似たような経緯でこの施設にやって来た者もいるのだろう。
いずれ来るであろう、我が国の救援が来たときにスムーズに復帰できるよう常に気を張って生活しよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます