第186話:ユーリメニアストⅢ〜神々の交流〜
「よぉ、まさかお前も死んでいたとはなぁ」
「ああ、気づいたらこの様だ」
人に扮して人間の町まで来た。
そして、探すかと思うまでもなく、知っている神に出会った。
「そうだ、煙草持ってないか? うまく作れなくてな」
「あるぞ、ほれ、これでいいか?」
相手が手元で作った煙草を受けとる。
慣れてるな、もしかしたらここに来て俺よりも長いのかもしれない。
「ああ、ありがとう。まだ適当な枝を変換したりしないとうまくできなくてな」
「だろうな、俺もこの世界に来たばかりの頃は苦労したもんだ。生まれてはじめて苦労ってものをしたもんだ、最初は――」
長めの己語りが始まるところを、先に止める。
俺もそうだが、神の話は長い。
「この世界について教えてもらってもいいか?」
「いいだろう、ふぅー」
いつの間にかくわえていた煙草から煙を上げて答える。
「それで、この世界の何について聞きたい? 管理している神か? うまい神力の使い方か? それとも、うまい飯屋か」
「全部だ」
「欲張りだな、いいだろう。まずは、この世界を管理している神だな、まぁ、言ってしまえばそんな存在はここにはいない、いるかもしれんが俺たちでは観測不可能だ、この世界は誰かの箱庭遊びじゃあないってことだな」
「いないなんてあり得るのか?」
「そりゃあありえるさ。俺たちが神として箱庭の世界を治めていたが世界は他にもあった、違う形でな。この世界以外にも神のいない世界というのは多くある」
「ふぅむ、そういうものか」
「次、うまい神力の使い方だな。この世界では侵食という意識は捨てろ。侵食しようにも満ちていない、体の中で生成できる神力でしか、世界に強制干渉はできん。それのうまい使い方を考えることだな、アドバイスはこんなものだ」
「なるほど、管理している神いないからか」
「最後にうまい飯屋か、少し面倒な場所にあるが、今からでも行くか」
「ああ、そうだな。話の続きはうまい飯を食いながら、だな」
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