改変の善悪

 改悪とは、物事を改めた結果、かえって事態を悪くする事、だそうだ。


 さて、トップページの仕様が「改悪」方向に変更されたのは皆も知っての通りだ。

 すでに人気のある作品を最上段に持って来て、これでもかと宣伝する一方で、今まであった新着レビューは最下段へと移動させられてしまった。


 一体、運営は何を考えているのだろうか?


 確かに、現在人気の高い作品を、一番最初に目のつく最上段に持ってくる意味は解る。そしてそれだけ、運営側が切羽詰まっていると言う事も推察できなくも無い。

 このサイトを利用している俺達作者は、当然サイトが無くなる事は避けて欲しい所であり、そう言った意味では運営のテコ入れに異議を唱えても仕方が無いのかもしれない。

 しかし、新着レビューを最下段に持ってくる必要はあったのだろうか?


 今「人気長編ピックアップ」に並んでいる物は、各ジャンル別ランキングでも上位の物ばかりである。そして人気作品ランキングは、少し画面を下にすれば、直に目にする事が出来るのだ。


 つまりこれは、二重表示、もしくは多重アピールと言う事にならないだろうか?


 そこまでグイグイとアピールする姿勢は評価できるが、そのとばっちりを受ける者も少なくないのである。


 それは現在、このサイトで執筆した作品を紹介している作者に他ならない。


 レビューと言うのは、いわば作者にとってもモチベーションである。

 作者の喜びとはなんだろう?


 ―――作品を書いている時か?

 

 ―――作品が出来上がった時か?


 ―――作品を掲載した時か?


 いや、作品を読んでもらい、評価を頂いた時ほど嬉しい事は無い筈なのだ。

 そしてそのレビューがまた人を呼ぶ。そうして一つの作品は「人気作品」となる筈なのだ。


 ではこの改変はどうだろう?


 新着レビューを最下段に持って来る事に、どんなメリットがある?

 運営側はひょっとしたら勘違いをしているかもしれないが、サイトページを隅から隅まで見る人など元来、いない。

 あんな下まで来て、そこで新着レビューを見て、面白そうだから覗いてみる。

 そんな奇特な者は、訪れた読み手の何パーセントだと言うのだろうか?


 前述したが、作者のモチベーションは読んでもらえる事、そして読んでもらえたと言う事が解る事に他ならない。

 今はまだ読まれていないかもしれないが、誰かが「それ」を見つけて読み、レビューを書き、他の読み手がそのレビューを頼りに「それ」へと訪れる。

 今ランキング上位に軒を連ねている作品群は、そうして「人気作」になったのではないか?

 今回の改変は、そう言った意味で改悪と言う他ない。

 新進気鋭の作家達が持つ、そう言ったモチベーションをへし折る行為に近しい物だからだ。


 反対する事だけでは意味が無い。対案が必要だ。

 と言っても、そう難しい物では無い。

 作品紹介の欄を、


 1、新着レビュー

 2、新着作品

 3、人気長編ピックアップ


 にすればいいだけの話だ。これだけでも十分に人気作には目が行くし、新着レビューの紹介で、ここを訪れた読み手が「それ」を覗いてくれる確率も維持できる。


 そして新たに「編集部ピックアップ」と題した作品紹介欄も作れば良い。

 ランダムでも、編集者のお気に入りでもいいが、気になった作品にコメントを添えて、日に3作程「人気長編ピックアップ」の下にでも紹介すればいい。それで編集部の好みも解るし、取り上げられた作品の作者は、更にモチベーションが上がる事間違いなしだ。

 

 事の是非はともかく、こちらとしては代案なり提案は出したのだ。

 「面倒臭い」「忙しい」と一蹴するもよし。

 前向きに検討するもよし。


 しかしこのままでは、あまりいい結果には結び付きそうにないと言う事を念頭に置いた方が良い様に、俺は考える次第だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る