レビュー

 ざっと新着レビューを見れば「面白い」だの「感動した」だの、たった一言だけが添えられている物を本当に良く見かける。

 しかしそれを見て、覗いてみようと言う意欲が湧くかと言うと、決してそんな事は無く、今では殆どスルーしているのが現状だ。

 何故なら、レビューを書いた人はその作品の余韻に浸り、面白かった作品を思い出し、感動したシーンを頭の中で再現しているから、その言葉だけで伝わっているのだろうが、第三者である俺などが見ても、何ら伝わって来る事が無いからだ。

 レビューの書き方など千差万別。こうであらなければならないと言うマニュアルが存在する訳じゃない。

 別に俺が理解出来ないだけで、他の人には十分伝わっているかも知れない。

 それならば良い。俺が兎や角言う必要のない事だ。

 しかしそうでないならば、もう少し解りやすく、インパクトのある文言を、もう少し考えて記載すべきではないのか?


 レビューがこの「カクヨム」の全てでは無く、作品の良し悪しはレビューで左右される物じゃない。しかし、トップページに目立つレビューを見れば、決してそのあり様がぞんざいであって良いとは思えない。何故なら、初めて訪れた読み手達の目に飛び込むのは、このレビューだからだ。

 

 「レビューを書いて、星まで付けてやったんだ。文句言うなよ」


 確かにその通りだ。レビューや星が喉から手が出るほど欲しい人たちには、そんな事どうでも良いのかもしれない。

 

「俺の、その時の気持ちを素直に表したんだ!何処が悪い!」


 それもその通りだ。自分の生な感情を表現する事も決して間違いじゃない。

 

 だがレビューとは、書いて貰った作者にとっては、自身の作品を評価されるバロメーターでもある。一言で終わらせてあっても「面白かった」とあれば嬉しいだろうが、「読み手の心を離さない面白さ」と書かれてあった方がモチベーションは上がるんじゃないか?

 第三者の読み手にしても「感動した」とあるだけよりも、「心が震える程の感動を是非!」とあった方が読んでみようと言う気にならないか?

 何も僅かな文字数に、その作品の全てを詰め込めという訳じゃない。そんな事は不可能だし、もし可能ならその作品は随分薄っぺらいんだと思ってしまう。

 それに読んだ者が、何でそんな面倒をしなければと思うかもしれない。

 では何故、お前はレビューを書こうと思ったんだ?星を付けるだけなら、レビューを付ける必要はない。


 そしてそれは、作者側にも言える事だ。

 

 自分の作品紹介で、より簡潔に、人目に付く様なキャッチコピーを付ける事が出来るのだが、自身の作品中に出て来るセリフをそのまま引用している者もいれば、悦に入った様に自身の作品が織りなす世界観を表記している者もいる。

 だが残念なことに、それを見ただけで小説の内容を理解して、興味がそそられる様な、奇特な超能力者など滅多に存在しない。

 更に驚きなのは、キャッチコピーも無く新着投稿している作品を少なくない頻度で目にする事だ。

 そんな事ってるんだろうか?ただ新着欄には作者と作品名だけ記載されてあるのだ。

 正直、誰がそれをみるんだ?と疑問が尽きない。

 どんな作品か、どういった内容で、どんな主人公で、作者は何処をアピールしたいのか。それが全く解らない作品を、流石にわざわざ貴重な時間を使ってみようとは思わないからな。

 もっとも覗いていないのだから、それが正式に作品目的で新着に掲載されてるかどうか定かでは無いんだが。


 レビューにしろ、キャッチコピーにしろ、別にこうしろ、ああしろと言うつもりは更々無い。むしろ見て貰いたいと、覗いてほしいと思わないなら適当で十分だ。

 それならば、読み手が適当にスルーしても、仕方が無いと理解する事だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る