アイデア
小説を書く上で重要なのが「アイデア」ですね。
どんなストーリーにするのか。
どんなキャラクターを登場させるのか。
どの様な設定でキャラを活かすのか。
世界観はどうしようか。
これらは大抵、考えようと思って出て来る物ではありません。
勿論、泉が水を後から後から湧かせる様に、止め処なく溢れて来る凄い才能の持ち主もおられるでしょう。羨ましい限りですね。
しかし大抵、最初の一作は思いつくのです。しかし新作を、別作をと考えると、中々良いものが浮かんできませんよね。
でも実は“アイデアの素”なんて、世の中にゴマンと溢れているのです。
要は、それに気を留めているのかどうか。それに尽きるのです。
「そう思って、周囲に目をやってるんだが、ちっとも浮かんでこないよ」
それは当然です。それこそ「考えようと思って考えてる」のと大差ありません。
“アイデアの素”に気付こうと思うならば、今作品を書いている時でさえ探していかなければなりません。
「今書いている事で頭が一杯なのに、そんな事出来る訳が無い」
いいえ、出来るのです。人間の脳と言うのは本当に凄い。それが日常化すれば、例え二作、三作と並行で小説を制作していても、確りと「別の頭」で考えて記憶する事が出来るのです。
しかしそれは、一朝一夕で身に付きません。常日頃から周囲の状況に目を光らせる必要があるのです。
では、周囲の状況とはどういった事でしょうか?通勤通学で家からの行き来中で目に付く事柄でしょうか?それとも知人との会話中でしょうか?
それだけではありません。
ニュース、ワイドショー、ドキュメンタリーは勿論、マンガ、アニメ、映画、ドラマに及ばず、他者の小説作品であったり、歌の歌詞であったり……枚挙に暇がありません。目に付く物はなんでもその可能性があるのです。
それに気付くかどうか。気付けるかどうかは本人次第で、そしてそれは日々、目を光らせているかどうかにかかってきます。
―――そして重要な事がもう一つ。
それは、小説を書こうとする意志があるかどうか。これに尽きます。
書こうと言う意志が無ければ、何か心に引っ掛かる事があったとしても、それを作品として当て嵌める事はしないでしょう。
そして当て嵌めなければ、その後の広がりも考えられません。
アイデアは、本当にそこかしこに溢れています。
しかしそれは、本当に切っ掛けと呼べる小さな小さなものです。
それを拾い上げて、そこから膨らませて、更に色々と継ぎ足して、漸く骨子が完成するのです。
思い違いで怖いのは、最初からある程度完成した物が浮かび上がる、なんて考えてしまっている事です。そんな物は殆ど無いのではないでしょうか。
アイデアに困っている人、アイデアが見つけられない人は、どうか周囲にもう一度目を光らせてみて下さい。
そこに映っているテレビ番組の内容、本棚にならんだマンガのタイトル、足元で眠そうにしている愛猫、外から聞こえて来る車の騒音……。
何か引っかかりませんか?そこから広がりませんか?
もし何かインスピレーションが閃いたならば、とりあえずそれをメモして下さい。
今、役に立たないワードでも、数日後、数週間後、数か月後、数年後……。
何か途轍もない物に変貌するかもしれません。熟成されるかもしれません。
もう一度、首をグルリと周囲に向けて下さい。きっと何かある筈ですよ。
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