第25話【京子】
一回嘘をつくとその嘘を取り繕うためさらに嘘をつくことになるのだという。最初に誰が言ったのか俺は知らん。
ただ、今は実感としてそれが解ってしまう。
『俺は未来から来た超能力者だ』
——んなわけねえ。
『ジョン・スミス』という絶対的切り札が俺を『未来から来た超能力者』にしてしまった。なんだったんだ『ジョン・スミス』は。
取り敢えず俺は〝設定〟を考えなければならない。いったいどんな能力を駆使する超能力者を演じればいいんだろうな——
いや、それは後回しだ。造ってしまった〝設定〟通りに俺は立ち回らねばならない。俺は嘘の名人になれるのだろうか。
まず気に掛けなければならないのは『俺は未来から来た超能力者だ』と告白したのはハルヒ一人だってことだ。ハルヒが急に機嫌を元に戻してくれたのは、SOS団の中では『自分(ハルヒ自身)だけに秘密を打ち明けてくれた』ってことになってるから、という可能性が極めて高い。
——ということはだ、古泉や長門、まあ今は不在だが朝比奈さんには、俺が『未来から来た超能力者』であることを黙っていた方がいいことになる。俺がハルヒに衝撃の告白をしたというのに、その事を既に古泉や長門が知っていたらさらにまずいことになりそうだ。
俺は長門が実は宇宙人で、朝比奈さんが実は未来人で、古泉が実は超能力者であるという〝秘密〟を彼らと共有している。なら逆もありじゃないか?
俺が『未来から来た超能力者』であることを俺とハルヒの共有する〝秘密〟にしてもいいのでは?
そうすることで少しでも罪滅ぼしになるかもしれないしさ。
♢
真夜中にスマホが鳴り出した。時刻を確認すれば本物の夜中、午前二時十二分。縁起でもない。
掛けてきたのは古泉だった。
『夜分恐れ入ります。いま出られますか? いえ、出てきて欲しいんですが』
咄嗟に頭に浮かんだことは俺がハルヒを追いかけていった〝その後の顛末〟について古泉は何も知らないということ。『未来人の超能力者』は隠して適当に知らせようと思ったが繋がらなかったのだ。まさかそれを——
「……無茶を言うな」
寝ぼけ眼な状態で半ば無意識でそう答えていた。
『長門さんがあなたの家の玄関先に異空間を設営してくれるそうです。よろしくお願いします。実はですね、朝比奈さんの居場所の件についてなので……』
なんだと⁉
奴が言い終わる前に返事していた。
「解ったのか⁉ すぐ行く。待ってろ!」
俺が大急ぎで着替えを済ませ階下に降り玄関の戸を開けるとすぐ目の前に古泉が立っていた。
うわっ! びっくりするじゃねーか。
「ではこちらです。玄関の鍵を閉めたら振り返ってください」
俺は古泉に言われたままに玄関に鍵を掛け確実に閉まっているのを確認して振り向くと既に世界は幾何学化していた。
幾何学模様の空間の中には長門がいて、いま一人、人間がそこにいた。ぺこりと頭を下げ開口一番妙なことを言ってきた。
「うちの涼宮と九曜がご迷惑をお掛けし申し訳ありませんでした」
「おまっ」
まるでどこぞの企業の迷惑処理係みたいな物言いに反応した俺の形相は自分ではどうだかまるで解らんのだが、そこにいたのが朝比奈さん誘拐犯という第一印象だけが強烈な橘京子だから仕方ない。
「ごめんなさいっ、そんなところに押しかけない方がいいって言ったんですけど二人ともあたしの言う事なんて聞いてくれないし——」
なぜか頭を抱えるように防御姿勢をとりながらそう弁明していた。
まさか光陽園のハルヒと九曜がSOS団部室まで来た要件ってのは朝比奈さんのことだったのか?
そしてハルヒの勘はやはり当たっていた。朝比奈さんの居場所はクローン帝国だと言っていたが正に光陽園のハルヒと九曜のところにいたのだ。
橘京子は続ける——
「あ、あの、それであなたの朝比奈さんのことなんですけど〜、いま出たくても出られない状況なんですよぉ」
「お前っ! まだ朝比奈さんを誘拐してたのかっ!」
瞬発的に俺が前に踏み出す!
「ごめんなさいっ。でもあたしは今回はなにもしてないんですっ」
「そうですよ。待ってください」古泉が俺と橘京子の間に割り込んでいた。
「ならなんで『ごめんなさい』なんて言ってんだよ⁉」
「彼女の一種の謙虚さ、謙譲性の表れだと理解してください。ぎゅうぎゅうに問い詰め萎縮させるのではなく、まずは話を聞いてあげてくれませんか」
仕方ない。登場の仕方こそ朝比奈さん誘拐犯の一味だが佐々木は橘京子を危険視していない。これは大きいんだ。佐々木は俺より聡く、賢く、そして人を見る目がある、と俺は信仰している。
俺が肯くと、橘京子はほっとしたような顔をし、
「古泉さん、ありがとうございます」
気に食わん。俺がなにか暴漢かストーカーの類のようではないか。しかし古泉は、
「その代わり、可能な限り正確な表現でお願いしますよ」
「解りました。じゃ、行きます」
橘京子は一旦祈るような仕草をして話を区切ると口を開き語り始めた。
「あなたの朝比奈さんはただ今異空間で半ば……いや半ば以下ですけど、客観的には……軟禁されてるのかな——」
「やっぱり誘拐してるんじゃねーかっ!」
「ひゃっ!」
「あなたはもっと冷静な人だと思っていましたが」
再び古泉が俺の前に立ち塞がっていた。ちっ。
「だけど、信じてはくれないだろうけど、朝比奈さん本人にも逃げる気が無いんです」橘京子は言った。
「拉致監禁していれば誰でもそうなるだろうよ!」
「いえっ、それは誤解です。軟禁です。監禁じゃなくて」
「軟禁だろうが監禁だろうが朝比奈さんをどこかに閉じ込めているんだろ!」
「それは安全のためです。だから朝比奈さんが逃げないで留まっている理由は専ら利害関係です。彼女はその……仕事上で重大なミスをしてしまい罪に問われかねないところまで追い詰められてしまって、行き場を無くしていたんです。あたしと同じであまり有能に仕事をこなせなくて、だから話し相手になってあげられるはずだって頼まれて……」
「頼まれてって、誰に頼まれたんだ?」
「今はそれは……勘弁してください……そのうち必ず本人があなたに事情を説明するはずですから」
「藤原か?」
「いえ、藤原さんは今回の件にも『関わりたくない』『来たくない』と言ってあたしに丸投げしてしまって——」
「お前らまだツルんでいたのか?」
「いえその……」
まだやってるって態度だ。橘京子に九曜、藤原が繋がり、なぜかそれに光陽園のハルヒが加わっていた。
「朝比奈さんを拉致監禁したのはすると九曜だな」
「確かに九曜さん無しではそれは無理でしょうけど中心的な役割を果たしたのは涼宮ハルヒさんです」
え? と一瞬混乱する。中心?
「SOS団に殴り込んできた髪の長い涼宮さんです」古泉が補足した。言われんでも思いつく!
「まさかお前、今度はハルヒの力を光陽園のハルヒに移せるなんて言い出すつもりじゃないだろうな⁉」
「ありませんそれは。涼宮さんの能力を他の涼宮さんに移しても結局涼宮さんなんだから同じじゃないですか」
確かにそうだった——
だいたいなぜ光陽園のハルヒは普通に存在しているのか。
「古泉」
「なんでしょう?」
「あの十二月十八日から三日間のあの世界、あの世界は上書きされて消えたんだよな? 今現在もそれが存在してるってどういうことだ?」
「さて、僕に訊かれましても。長門さんに訊かれたらどうでしょうか?」
解ったような顔で説明していたくせにとは思ったが、もっともはもっともだ。
「長門、どうなっているんだ? 十二月十八日の早朝に修正プログラムを長門に……いや、ともかく長門だが、えーとだな、修正プログラムを撃ち込んで改変された世界の上に元の世界を上書きしたんだよな? その世界が今も異世界として存在してるって、俺たちのやったことは無駄だったのか?」
頭の中を見たことのある文字と線が渦巻いている。古泉が描いたホワイトボードの絵が頭の中で駆けめぐった。去年十二月十八日の早朝をXとする古泉の仮説。X時点は二つあり過去を完全に消し去ることはできない。修正された歴史は元の時間に上書きされる。
そして俺には別の思い出もあった。あのループする夏休みだ。俺たちは何万回も同じ二週間を繰り返していた。しかし、長門を除いて最後の二週間しか覚えていない。そのほかの何万回は無かったことになっている。なら、すぐに答えは出るじゃないか。
過去は無かったことにできるのだ。事実として過去があろうが無かろうが問題にはならない。確かにそれがあったのだとしても、誰も気づかなければ無いのと同じだ。そのためには——記憶を消せばいい。
十二月十八日から二十一日の間、俺があちこち走り回って三年前に跳んだり朝倉に刺されたりしたという記憶を抹消されて、ただ病院のベッドで目覚めたとしたらどうなる? 俺はきっと、古泉の説明通りに階段から落ちて頭を打った拍子に三日間の記憶喪失になっていただけだと思ったことだろう。
文芸部少女となった長門や書道部の朝比奈さんやポニーテールが異常に似合う他校のハルヒや一般人化した古泉の記憶を、まるごと消されていたとしたら、時間のループやタイムトリップの整合性なんか気にしなくてすんでいた。だが、それだけでは不都合だった。
十八日の未明、朝倉の一撃で瀕死になっていた俺は未来から来た俺たちを見て、もう一度俺がその時間に行かねばならないことを知った。異常化した長門を直せるのは三年前の長門だけで、実行したのは今年一月二日の長門。それだけは必要だった。そして時間は上書きされた——。
ハルヒはそのことを知らないし谷口や国木田もそうだ。知ってるのは俺と長門、朝比奈さんと伝聞情報の古泉だけだ。
だとしたら、俺がハルヒの立場に置かれていた可能性が無いとは言えない。俺の知らないところで歴史が書き換えられていたとしても、仮に知ったのだとしても、その記憶が無ければ事実も無いってことになる。
それどころか、今こんなことを考えている俺が、別の時間軸によって上書きされる可能性だってあるんだ。今の俺は無かったことになり、別の俺が未来に向かって進んでいく、そんな時間軸が——
「わたしは嘘をついていた」
長門が口を開いた。
「嘘? お前がか?」
「本当のことを言わないという意味において」
長門らしいというか……でもそれは嘘とは言わんだろ。
「……どういうことだよ?」
「あの再修正プログラムは本来の時間線に接続されてしまった改変世界の時間線を切断し、元の時間線に繋ぎ直すためのプログラム」
「なんで上書きをしなかったんだ?」
「一度発生した存在の消去は不可能だから」
「……ということはあの世界は消せないってことなのか?」
「厳密な意味においては、違う」
厳密?
「つまり」と長門は付け加える。
「涼宮ハルヒならそれは可能」
だとしてもあの改変世界を残したのはハルヒの意志じゃないくらいすぐ解る。自ら進んで〝ただの人〟になろうなんて選択をあいつはしないだろう。
「なんでそのことを言ってくれなかったんだよ?」
「観測できないものは存在しないのと同じだから」
「だけどな、TP……DD、だったか、それで行けるんじゃないのか?」
「TPDDは時間制御の一デバイス。時空連続体間の移動にのみ有効。時空不連続体間については無効」
「時空不連続体?」
「涼宮ハルヒが表現するところの『異世界』」
「長門、お前にはえ〜と、途切れた時間……、いや、俗に言う異世界への移動は可能なのか?」
「不可能」
できない? 長門をもってしてもか?
「古泉、お前にも無理だよな?」
「ええ、むろんです」
「じゃ、どうやって光陽園のハルヒはあっちの世界とこっちの世界を行ったり来たりしているんだよ⁉」
「ちょっと待って下さい。光陽園の涼宮さんより朝比奈さんの件が先のはずです」
そうだった。橘京子の話がまだ途中だった。俺の頭の情報処理能力は目一杯だ。
「どうやって朝比奈さんを拉致監禁した? 一部始終を語って貰おうか」
そう言って橘京子に視線を向けると橘京子は小動物のように脅えながら続きを語り出した。つたくっっ!
「どっ、どうやったのかあたしは見ていたわけじゃないけど涼宮さんの話によると、どこにも行く当てが無さそうにとぼとぼ歩いていたのを拿捕したって」
なにが拿捕だ。
「橘さん。どこを歩いていたのか? そこをお願いします」古泉が口を挟んだ。
「あぁ、そうでした。すみません」
橘京子はとある地名を口にした。むろん俺はその場所へ出かけたこともない。だが名前は聞いている。なぜか? 市外の超有名進学校がある場所の地名だからだ。
そしてそこは、佐々木が通っている学校でもある……
「なぜそんなところを……?」
思わずそう口から漏れた。人知れず、異世界への扉が存在してるとでも言うのか?
「解りません。偶然なのか必然なのか。自分の意志か、誰かに追われて無我夢中でそこに辿り着いたのか」
橘京子は一旦話を区切る。
「朝比奈さんは説得して連れ込んだんです。確かに部屋から自由に出られないという意味では見た目監禁ですけど本物の監禁というのとは違うんです。今は九曜さんや藤原さんと三人で一緒の場所にいます」
やはりそこが藤原の普段の居場所でもあるのか。しかしなんて中に朝比奈さんを放り込むんだ。
「お前、その二人はツルんでハルヒを殺そうとしていた奴らじゃないか。逃げられないよう監視しているんじゃないのか。少なくともお前にはその辺り一片の良心がありそうだが、そんな連中と朝比奈さんをいっしょにしてられるか! 連れ戻すからそこへ案内しろ!」
「無理です。あたしには無理」
橘京子には本当に無理そうだった。
即座に俺は長門の姿を視界に捉え、
「長門、頼むぜ」と同意を求めた。
長門は力強く三ミリほど……は肯いてくれなかった。異世界への移動は無理だったんだな。
「古泉、どうすりゃいい?」
「肝心なのは朝比奈さんの考えです。いったい今本人はなにを思っているのか」
「知ろうにも得体の知れない異空間に監禁されているんだぞ! あの雪山の館みたいな所だとしたら外部との連絡は遮断されてるはずだ」
「橘さん、どうにかなりませんか?」
「え、なんとかですか? う〜ん。なんとかしたいですけど相談しないと」
「だから誰なんだ⁉」
「どうか」、すぐさま古泉に窘められる。どうしても声を荒げちまう。
「それはあなたの信頼できる人ですからそこは安心なんじゃないかと」橘京子が逃れるような口調で俺に説いた。
信頼できる?
「古泉、お前は知っているのか?」
「解りません。教えてもらってないのでね」
「ごめんなさい。許してください。あたしにとっても今や大事な人なんですけど、今は黙っているように念を押されているんです。言うべき時があるって。約束を破るととても怖そうなんです。絶対に怒らせちゃいけないタイプだって、そこだけは解るんです」
かなり重大なヒントをもらった、と思う。たぶんこれは橘京子の本心で、橘京子の精一杯でもある。俺の信用のできる人……
橘京子、藤原、九曜——信頼などできん。
すると——信頼できるのは……
光陽園のハルヒ、あるいは佐々木——
どっちだ? 光陽園のハルヒはハルヒはハルヒでもつき合いは短い。それに橘京子との関係を考えると佐々木が本命?
「実はもう一つ重大な案件があります」古泉が口を開いた。
「今度はなんだ?」
「涼宮さん……、あぁもちろん我がSOS団団長の涼宮さんの方ですが、涼宮さんの閉鎖空間が止め処もなく拡大を続けています」
「そりゃマズいだろ。この世界が閉鎖空間に飲み込まれて入れ替わっちまうとかなんとかなるんだろ!」
思わず俺がそう口走るくらいそれは衝撃的な告白だったが、さっきまであれほどオドオドしていた橘京子に全然驚く様子が見えない。
「やけに落ち着いているじゃないか」橘京子の方を向いてそう言ってやった。
「いまの状況くらいは解ります。あたしも一応古泉さんと同じ能力を持っていますから」
そりゃそうか。近頃あまりにも存在が一般ピープル過ぎて本来超能力者だったことを忘れていた。
「ならこんなところで油を売ってていいのかよ」
「状況が解っているから橘さんがここにいるんですよ」代わりに口を開いたのは古泉だった。
「——本来ならば僕らは閉鎖空間に突入して戦わなければならないのでしょう。だけど……あの時と同じなんです」
「あの時とは?」
「公言するのは憚られますが、あなたと涼宮さんがキスをすることで世界を救ってくれたあの時ですよ」
「あ……」
「あの時は異常事態でした。小さな小さな赤い光の玉。最終的にどれくらいの大きさにあなたには見えたでしょうか。蛍くらいですかね。仲間の力を全て借り受けようやくその程度、やっと涼宮さんの閉鎖空間に入り込めたんです。結局僕らにはどうする事もできずあなたに丸投げでしたね。その時と同じです。ただかろうじて入り込めたおかげで状況を把握することだけはできました」
「それじゃああの『神人』が暴れているのか?」
「閉鎖空間に入り込めないのですから確認のしようがありません。今までの知見からすると『神人』が暴れなければ閉鎖空間は拡大しないはずなので、拡大しているということは暴れているのだと、そう推測するのみです。解るのは閉鎖空間が止め処もなく広がり続けていることのみです」
「どうすりゃいいんだよ?」
「絶望的です。あの折はあなたが奇跡的に涼宮さんに選ばれ、あなたが閉鎖空間にいました。しかし今閉鎖空間が発生し拡大し続けているにも関わらずあなたはここにこうしている。あなたは今回選ばれていない」
「しかしハルヒは許してくれたぞ。玄関までだったけど家に入れてくれたし、殴られても蹴られてもネクタイを絞められてもいない。なぜか一緒に宇宙人とその手下の異世界人と戦うことになってテンションも上がっていたんだ」
「それは本当でしょう、全面的に僕は信用しますよ」
「だったらなぜこうなってるんだ⁉」
「二つの仮説があります」
「なんだ?」
「一つは〝朝比奈さんが原因であるという説〟。もう一つは〝あなたが原因であるという説〟。朝比奈さんが原因なら事は簡単です。朝比奈さんが戻ってくれば万事解決です。問題はもし後者だったら、という場合です」
「俺が今回ハルヒに選ばれていないせいか? だけど許してくれたんだ」
「理性と無意識が相反しているとしか言いようがありません」
「俺には意味が解らん」
「涼宮さんは理性ではあなたを赦したいと思っているんです。けれど、無意識ではあなたを赦せないと思っている」
「お手上げじゃないか」
「ええ、お手上げです。ただ涼宮さんの閉鎖空間に入り込む方策があればなんとかなるはずなんですが」
俺は橘京子の顔を見た。次に長門の顔を見た。橘京子は橘京子らしく、長門は長門らしく、共に顔が無理だと言っていた。
佐々木の名前もまだ思い出せず、卒アルは近頃探してないがきっと無いだろう。こんな些細な事件も解決せず、朝比奈さんは追われる身となり信用ならん奴のところに軟禁状態。真打ちである閉鎖空間が目下拡大中。
なんで事件が解決しないうちに次から次へと事件が起こるんだ。
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