第3話 高い

 高い。

 高所恐怖症の人にとっては、

 高い=敵=恐ろしい になってしまうのだろうか。

 僕は、高い所が大好きだ。

 高い所に登るその間も好きだ。

 高い所に登ることで、自分のいつも通っている道や、住んでいる家、たまに遊びに行く親戚の家などを見て、その中に見える人々に自分を重ねる。

 上から見てみると、全てが小さく見えて、使い古されて何度も聞いた事があるかもしれないが、自分が考えている、悩んでいることが本当にどうでもよくなる。気持ちが軽くなる。

 それに、高い所に登ると、空が大きくなる。開放感が広がり、自分の中にある有象無象が一旦出て行って、自分がすっからかんになっていく気がする。

 高い所にはこんないい事があるのに、高所恐怖症の人々はとても勿体無いことをしていると思う。

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