第3話 海

う〜み〜は 広い〜な 大き〜いな〜

つ〜き〜が のぼる〜し 日がし〜ず〜む〜


う〜み〜は 大な〜み 青い〜な〜み〜

ゆ〜れ〜て どこま〜で 続く〜や〜ら〜


う〜み〜に お舟〜を 浮かば〜し〜て〜

行〜ってみたい〜な よそのく〜に〜


 本当に、良い歌だと思う。

 海への子供の気持ちが真っ直ぐに伝わってくる。

 海は、夏。

 夏は、海。

 ギラギラとした太陽仲の良い海。

 でも、少し時間を置くと、「うみ」のように穏やかになる。

 少し僕と海の思い出話をしてみる。

 僕は、中学校最後のプールの授業まで、クロールも平泳ぎもできなかった。

 毎年必ず家族で海に行っていたのに、全然全く泳げなかった。それは、僕の基準が少し高かったからかもしれない。僕の泳げるの基準は、50mを、しっかり息継ぎして、息が切れない程度に泳ぎ切る。これが、僕の目指す泳げるの基準だった。

 もちろん、僕の基準に届かず、全く泳げなかった、50mなんて全然遠い。せいぜいクロールは、25mを勢いに任せ、息を切らしてギリギリ泳ぎ切れるくらい。平泳ぎに関しては、クロールに比べてスピードが出ないから、クロールよりも息が苦しくなってしまい、25m泳ぎ切る事ができたら上出来、そのくらいだった。

 平泳ぎすらできなかった僕にとって、海でゆったりと泳ぐのは、夏の憧れだった。それを、憧れで終わらせないために、僕は、心に海での目標を立てた。その目標とは、ビーチのクラゲ避けの一番沖側まで一人で泳ぐ。

 中学校最後のプールまで、クロールは全然変化がなかったが、平泳ぎをマスターする事が出来た。先生のちょっとした一言アドバイスで、僕は、平泳ぎであまり息を切らさずに200m泳げるようになったのだ。

 僕の中で、平泳ぎは飛び級してマスターしたようなものだった。本当に、びっくりしたし、嬉しかった。

 そして、飛び級した夏で。

 僕は、自身の密かな目標を達成することができた。

 そんな僕の長ったらしい思い出話だった。

 今回は、これで終わりなんだとさ。

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