第1話 嫌悪感
実は、いま、得体の知れない「嫌悪感」に包まれている。一体何が原因なのか分からない。本当に、気持ちが悪い。そんな毎日を過ごしている。
どのような嫌悪感か。
色や形を明確に表すとすれば、緑や黒が混ざったヘドロがへばりついてくる、そのような感触が心の中にある感じだ。
それを抱いている対象は、友達である。
しかも、ここ三、四ヶ月で知り合った友達。第一印象では、その人はそんなに悪い印象は無かったのにも関わらず、だ。その後の関係も上々だった、嫌いになる事件等も無かったが、少し気にくわない仕草があった。それでも、そういう事は他の人達にも言える事で、そんなに大きな影響を与えていないはずだ。
いくら考えても、思いつかない嫌悪感の理由。
考えれば考える程に、謎は深まり、疑問ばかりが浮かんで来る。その上、考える程にその人に対する嫌悪感が、どんどん増していく。それはまるで、水風船のように、重く、膨らんでいく。
どう足掻いても、その風船が膨らんでいくのを止めることは出来ない。結局のところ、僕が取った行動は、嫌悪感を感じないように、当人を避けるようになった。
一体僕の心はどうなってしまったのだろうか。
未だに、その嫌悪感が消える兆候は無い。
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