【迷宮の神殿 ~B15】
迷宮の神殿とは、学園の端に作られた外見から見ると、夜空を押し固めたような綺麗な見た目である。が、中に入れば難易度別に10段階に分かれており、
毎日、授業で潜る生徒や、腕試しとして潜る生徒がたくさんいるが、いまだにLv,8~Lv,10の迷宮は踏破されていない。
* * *
学園の塔をつなぐ
『なんだか予定より遥かに多い気がするんだけど。気のせいかしら?』
「〖幻影帝〗、いきなり出てこないでよ~。でも確かに……」
『確かさ、見学来るって知らされてたのは、FとBとA…だったよな』
「そうだけど?〖凍氷帝〗。」
「Fだけでも1000人余りはいるけど…これはパッと見その倍以上はいるよね?」
『ざっと数えて2600人ほどだな』
「……もう見学生は無視して装備チェック始めましょう」
ニグレナが見学生の多さに瞠目しているほか4人の話を早々に切り上げる。
「よし、【白蝶刀ハク】【紫龍刀シコク】、
「ん、【凍覇双剣ディバイドコール】。あとはルーン石をいくつか」
「私は【光樹弓フォレストドロップ】。魔石も大丈夫です」
「僕は、【雷天翼エンプレスソウル】【光杖オシリス】、上位魔法ルーン石」
「俺は、【炎神剣ファイアドラール】と拠点ポインターを8つだ!」
武器・所持品確認の次に、各々の防具を確認していたら、5人に周りが気が付き、たちまちざわざわと喧騒が大きくなる。
まあ、無理もないことだともいえるが。それぞれが着ている、【闇神獣の羽衣】【炎龍の聖鎧】【氷晶花の霊装】【光聖神の魔衣】【凛華樹の聖衣】は物凄く目立つ代物である。
「……早く行きましょう」今度はシグルズが他4人を引っ張って入口へ向かう。
* * *
中に入れば、フロアのあちこちに固定式(全属性)魔法陣による
Lv10最難関の名は伊達ではないようだ。が、こちらもSSランクの称号を冠しているのは伊達ではない。
体感的に魔力の残滓を感知してトラップを避けたり、モンスターは五帝の能力を駆使して一気に駆逐したり。なんやかんやでもうB14フロアまで来てしまった。
「…………なんか意外に簡単だったような?」
『ルドルフ、それは最高峰の能力を持つ君含め5人だからそう思えるのであって、普通の人だったら、こうはいかないからね?』
フィルメアリスの人格に諭される主人というのも、なかなか見ない光景だ。
「わかってるって、〖光雷帝〗。」
とここで、さっきから何かに集中している模様なニグレナに、ファルウィンドが気づいた。
「どうしたのニグレナ?なんか探知に引っ掛かった?」
「………あ、うん。〖幻影帝〗。」
『確かに引っ掛かってるわ。内訳は、ウルフ系12体、スカル系15体、ゴーレム系9体、その他29体の計65体ね。』
「ほかにもうじゃうじゃいそうだよね。じゃ早速行っちゃおうか!」
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