双凛撃のアルメニア
ファランドール
【巨大なカラクリ】
この世界【アルフ=フローレ】の中央には、巨大な巨大な大樹が生えている。
その樹のうろを覗いてみると、中にあるのはこれまた巨大な《カラクリ》。
このカラクリ《エンハンス・インフローラ》は世界の人々すべての体内に埋め込まれた思考機械【フィルメアリス】とひっきりなしに交信を行っているのだ。
【フィルメアリス】とは、精神に干渉する思考機械である。
大概は単純な計算程度しかできないが、極稀に、複雑な演算を行い、未来を予測し、それに基づいた最善の行動を選択するなどといった、非常に高い領域に達しているものがある。
《もう1つの人格》を作り上げ、
その形成された人格を纏めて【五帝】と呼び、そのフィルメアリスを【帝機】という。
* * *
アルフ=フローレで最大の版図を誇る、「リンファノア帝国」。
央都『ファインドゲート』。
央都立【グランディル学園】。ここは、帝国軍人を育成するための学校。
クラスはまずランクで、SS、S、A、B、C、D、E、Fと分かれ、さらにS以下は1ランクに複数のクラスがある。
1年の末に試験があり、それの成績が良ければ上がり、悪ければ下がる。ただしどんなに良くても飛び級制度は存在しない。
内訳は、Fが1093人、Eが981人、Dが910人、Cが859人、Bが627人、Aが311人、Sが104人、そして、SSはたったの5人。
しかもその5人すべてが【帝機】持ちである。
* * *
学園東1F。SSランク教室。広い部屋には少ないであろう人数で。
「なあなあ、今日ってまた見学いっぱいくるんだよな?」
「……そのようですね。また。派手に行きますか?」
「OKOK。確か、迷宮の神殿だったよな。見学はFとBとAだった」
【炎聖帝】アルド・フォン・グランドアイズ。【凍氷帝】シグルズ・アイ・トリップメア。【樹風帝】ファルウィンド・ヴァン・トラウ。【光雷帝】ルドルフ・フィオン・ローゼンリッツ。【幻影帝】ニグレナ・レイ・ファーレン。
SSクラスには教師はいない。提示された時間割に従って動く。
理由は、Sクラス以下の分で教師の数が足りなくなっていることと、SSともなれば自らでも動けるだろう、という期待。
* * *
「………なあなあ、こんなにいたっけ?見学」
「さあ?数える気にもなれないくらいいるね…」
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