圧縮感情プログラミング


言葉の一つ一つを

大切にしているつもりで

言葉の大切な意味を

無自覚に垂れ流す


そんなことも気づかないままに

当たり前の顔をして

通り過ぎていく


だから圧縮感情プログラミング

本当に大切なことを閉じこめたい


当たり前のことを

何気ないこと

君の横顔

笑顔の一瞬一瞬

時の砂がこぼれ落ちてさ


昨日の君はいなくて

冷めた珈琲が口もつけずに残って

戻らない過去ばかり

暖色の風景 あの時の

色合いが思い出せなくて


剥がれ落ちた記憶が

交わした言葉の断片が

忘れてしまって空虚で


何か大切なことの

一つ一つを

幾つかのの当たり前を

こんなにもあっさり忘れてしまって


幾つかのこと

幾つかの言葉が


圧縮されてカタチも残らずに

あたかたも最初から

なかったかのように


だから圧縮感情プログラミング

本当に大切なことを閉じこめたい


あぁ、握ったその温もりが

妙に懐かしくてさ、

年甲斐もなく、あふれた言葉の意味を

追いかけるより早く


幾つかのこと

幾つかの言葉が


全部、君につながって

すべて、君のことなんだ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る