ワールドエンド


静寂を求めて

無音の域を求めて

息を殺して

誰もいない場所で

狭い空間だけでいいだなんて


それこそ君の世界の

ワールドエンドなんじゃない?


世界が広いなんて言わない

君が生きる世界は

こんなにも摩擦と

冷たい温度が嘲笑うけどさ

痣だらけで

傷未満の繰り返しに

痛覚すら麻痺するけど


優しさを諦めて

繋がりを捨てて

息を殺して

誰もいない場所で

狭い空間だけでいいだなんて


それこそ誰かにとっての

ワールドエンドなんじゃない?



ここが世界の断崖だと

勝手に決めつけてさ

「物語はここでおしまい」と

勝手なことを言う奴らが

人の背中を蹴り上げるような言葉を吐いて

前進したつもりになって

もう朽ちた栄光の架橋の

改修工事に大忙しだけど

君まで足並みを揃える必要はないんじゃない?



ワールドエンドの向こう側

フェアリーテイルはすぐそばで

君の頁は終わりじゃないと囁く




「千一夜かけて、君の物語を紡ごう?」




ワールドエンドの向こう側

光の礫をかき集めたら、暗闇なんかあっさり消える


絶望した昨日からのワールドエンド

始めようよ?


千一夜かけて、君と

暗闇だらけの世界に

君の物語で

暗闇だらけの世界に

その手のひらいっぱいの

光で彩ろう


君の物語で

暗闇だらけの世界に

その手のひらいっぱいの

光で彩ろう




君の物語を。

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