砂塵



探していた物は

砂漠の果てで

砂に埋めた

瓦礫の街だと気付く

旅人がね

枯れたオアシスで

蜃気楼の女神に何となく微笑み返した

砂塵の幻想


儚いマボロシ

抱きしめながらも

飛べない鳥が旅立つように

僕ら砂の海でもがいた

今は忘れた誰かの顔を

砂の上でなぞりながら

二本の足で歩き続ける


優しい人が

去っていた朝に

僕はただ 眠り呆けて

夢を見ていた子供でした


たった一つのカケラですらも

朧げな壊れかけた面影

夢の中でなら

あの日よりも もっと笑えるのに


儚いマボロシ

抱きしめながらも

僕らは言葉を紡いで捨て去り

奏でた音がいつか

やがて彼方の誰かに届けと

想いながら

砂漠の果てを歩き続ける


儚いマボロシ

抱きしめながらも

花が咲いては枯れ行く季節に

君は何処に?

僕は何処に?

彷徨いにながら迷いながら

二本の足歩き続ける?


二本の羽根で

羽ばたくそんな鳥のように。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る