第3話 きっかけのお知らせ

 1週間が経ちました。おっぱいは、全く大きくなりません。なぜでしょう。牛乳を飲み過ぎて、おなかを壊している毎日です。

「おっぱいには、なにが詰まってるのかなぁ~」

私は、食卓に突っ伏して力なく叫びました。遺伝子? わたしのお母さんも、そんなにおっぱいは小さくないのに。栄養素? 毎日、たくさん食べてるのに…。

 お母さんは台所で火の魔法で料理をしています。

「……んー? やっぱり、夢じゃない?」

お母さんは気だるそうに答えます。

「夢、かあ」


「桃乃はさ、魔法なんかに頼って、アイドルになって、それで嬉しいの?」


「夢、かあ」

私は目の前の牛乳パックをまじまじと見ます。そこには、アイドルユニット【モーモーズ】という、巨乳アイドルグループによる、牛乳の広告がありました。

「もう、牛乳禁止」

お母さんが朝食を持ってきたと同時に、目の前から牛乳パックを奪い去りました。

「あっひどい」

「おなかだけじゃなくて、このままだと頭もおかしくなるよ?」

元からそうだけどね、と余計な一言をつけくわえてお母さんは私を見下ろします。むぅ。


 それから2日後のことでした。私たちの住む、魔法惑星テラに、宇宙人が侵攻してきたのは。

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