第30話 エピローグ

【意外な結末】


 こうしてリリースされた「丹下学園物語(女性フルボイス版)」は、なんと「第9回ふりーむ!ゲームコンテスト」にて銅賞を頂きました。嬉しい事ですし光栄なのですが、そこは冷静になって考えるべきです。開発期間を考えてみて下さい。莫大なコストがかかっている事もまた、忘れてはなりません。つまり、これが優秀な結果かといえば、必ずしもそうとは言えないのです。


 ただ、それでも。客観的な評価というのは本当にありがたいものですし、この受賞によって「参加してくれた全員に報いる事ができた」と思いました。こうして、実に1年半を要したプロジェクトは無事に幕を閉じたのです。


 このコラムでは、どうしても「大変だった部分」がネタ的にクローズアップされがちでした。実際には普通に順調な状況も多々あったのですが、そういうシーンを書いても意味が無いと思ったのです。もしそうしたら、


 ふーん(゚ε゚ )


 で終わっちゃう。実際、これは職場などの話ではなく「好きに作っているだけ」ですから、ツライとか大変とか、そういった話ではないのです。


 結局は、特に深みも何もないコラムになってしまったかもしれませんが、それでも読んでくれる人がいた事は本当に嬉しかったです。皆様、お疲れ様でした!



【エピローグ】


 プロジェクトは収束しました。祭りはもう、終わったのです。完成させる事が目的だったはずなのに、いざ終わってしまうと不思議な寂しさがありました。


 さて、その後のメンバーたちは……?


(丹下)

 このあと、実は自分がロンゲのイケメンであることを皆に打ち明けつつ、単身で北海道へ移住。「北の国から」に憧れて電気のない生活を始め、ネット上から姿を消す事に。キノコ狩りの最中に熊に襲われ、人知れず62歳の生涯を閉じる。


(あすか)

 この後、単身であやしい内容のノベルゲーム「ちゅっぱちゃっぷす」を制作してブレイク、ハリウッドに進出。男キャラしか描かないグラフィッカとして一世を風靡するが、1948年にオレオレ詐欺にあって無一文に。


(くみろい)

 アダルト方面のグラフィッカとして大成。莫大な財を築き上げる。1952年、愛人が彼の利き腕に漬物石を落とす事故に遭い、グラフィッカを引退。静かにエッチなDVDを見て余生を過ごす。


(卍束)

 メガネ男子の魅力について研究を重ね、やがて世界メガネ男子協会で論文を発表する。そしてのちに、日本人で初の理事に就任するが、協会の資金に着服、逮捕される。


(やなぎー)

 丹下に再会する事なく、1943年の夏。コミケにて、誇り高き同人作家として自身の抱える在庫に押し潰され、名誉の戦死をとげる。生涯独身であった。


 ……って、これを関係者全員分とか書くのは無駄過ぎるので、さすがにやめておきます、はい(゚ε゚;



~ そして時は流れ、2013年 ~


 次の開発が始まろうとしていました。


丹下「マジでもう、次からは、さ……手早くいこう。手軽に小さくネ」


 次からはコンパクトな開発をしたい、そう考えていたのです。であるにも関わらず……気がつけば我々は「真・丹下学園物語」という、とんでもない規模の開発に着手していました。これが実に、2年以上もの年月を要したのです。その開発と並行しつつ「学園長の野望」が気まぐれで作られたりもしました。


 現場におけるドラマには、決して終わりなど無いのです。


 2016年6月現在に至るまで、色々な出来事がありました。新しい仲間たちとの出逢い、そして別れ。まだまだ書き切れなかった事が沢山あります。


 このコラムの続きを書くかどうかは未定ですが、これは余程の事がない限りは書かないと思います。もともと要望があって書いたワケではないですし、自分が勝手に書いていたというか、つまり


 ぶっちゃけ、需要なさげ(゚ε゚;


 なので今回は、ここで終わろうと思います。でも、寂しく思う必要はありません。ナゼなら私達は、いつもすぐ隣同士にいます。そう、同じ宇宙船地球号の仲間なのです。


 このコラムを読んでくれた全ての人が、素敵な作品を「完成」させて下さる事を願いつつ、終わりにします。





 あ、「真・丹下学園物語」もうじき完成版である「終章」が2016年の7月末あたりにリリースされるから、プレイしてみてネ!


 よろしくよ(゚ε゚ )

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気づいたらゲーム開発サークルのオーナーだった たんげ @tange

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