第29話 リリース

【前回までのあらすじ】


 ボイスコさん不足の危機を乗り切った。デバッグは大変だなあ。



【最終版のリリース】


 こうして幾多の苦難を乗り越え、ついに「丹下学園物語(女性フルボイス版)」が完成し、リリースされました。


 って、言う程辛い事とかは

 無かったんスけどね(゚ε゚ )hahaha


 実際、本当に大した苦労はなかったです。無理せずに仕事やプライベートを最優先する約束で、サークル規約もその様になっていたし、過負荷な状態は避けて開発をしてきただけなのです。何ら特別な事はしていませんし、地味に継続しただけに過ぎません。自分の様なサルに出来た事ですから、誰にでも出来る事なのです。


 ですが、「だから気軽にサークルを立てればいい」とはさすがに思えません。頓挫する可能性がゼロでない以上、やはり自身に「何かしらスキル的な根拠」がない限りは、自らサークルを設立するのはやめておいた方がいいと思います。「何となくサークルを作っだけど瓦解した」では、巻き込まれた人は大迷惑ですので……。


 現在「ゆるいゲーム開発部」に在籍しているメンバは、それぞれが1人であっても、何かしらの作品を作れる力があります。自分は幸運な事に、そんな皆に助けてもらっただけなのです。ただし誤解がない様に書いておきたいのですが、これは決して「1人で何でも出来るべき」という意味ではありません。


 それは時として「何も出来ない事」に繋がる場合が実際にあります。もし全てを自分ひとりで出来るとしても、その全てが「専攻している人の水準には届かない」としたら、時には辛い思いをする事もあるのです。それよりも「自分の得意分野はコレ」と言える事が重要だと思います。もちろん、そう言い張った所で、その分野で挑んだ上で「何でもできるスゴイ人」に負けてしまうかもしれませんが……。


 自分は日々、負けてるYO(^ε^ )


 でも、それは何ら問題にならないと考えます。なぜならお互いが「全く同じ何かを作ろうとしているワケではない」ですから。なので、コレと決めた分野でシンプルに頑張る事が、まずは大切で重要ではないでしょうか。


 で、結局はどうするのが

 オススメなのよ?(゚ε゚ )


 という事で、あくまでも自分個人としてのオススメを書かせて頂きますと……!


 どんなに小規模でも構わないので、まずは「1人で何かを完成させる」もしくは「リアルでの知り合い同士でサークルを作る」というのが無難だと思います。もしチームの場合であれば、顔を合わせて意思疎通が出来るなら、それが強みになります。例えば、文字のみで微妙なニュアンスまで伝える事は難しい。その結果、思わぬ誤解やトラブルが発生する可能性もあると思うのです。何気ない文字が、時には重く相手に伝わる場合もありますので。


 それと、このコラム中で作っていたものは「丹下学園物語(女性フルボイス版)」ですが、現在では「真・丹下学園物語」がリリースされており、それと比べてしまうと非常にクオリティが低いです。少しリアルな事を言ってしまえば、今現在の様に開発環境やメンバーさん達の状況が安定していなければ「真・丹下学園物語」の水準は到底望めなかった、という本音もあります。



【完成させる事の重要性】


「私にいい考えがある」そう言い放つコ○ボイを思い浮かべて下さい。


 って、わかりにくいネタだな(゚ε゚;


 どんなに素晴らしいゲームを思いついたとしても、具現化してみたら極めて凡庸。それが普通の結果だと思うのです。つまり「大したアイデアではない」という事になります。


 あえて冷たい現実を言えば、今から作ろうとしているゲームがあったとしても、その案は残念な事に、全くもって独創的ではありません。確実に、既に世に存在します。そして自分なりのコダワリがあったとしても、それは他者には伝わりにくいです。


 さらに言えば、もし頑張って面白いものを作ったとしても、誰かにプレイしてもらえるとは限りません。誰も見向きもしない、そんな可能性さえあるのです。「それじゃ作る意味が無い」と少しでも思うならば、作らない方が精神衛生上は良いと思います。むしろそう思うのが普通の人かもしれません。


 あくまでも自分の場合ですが、自分はそうは思わないので作るだけです。それが1人であっても、チームであっても、何かを作るというのは楽しい事ですし、「頭の中にある」だけでは「存在しない」のと同じ。それでは物足りないと自分は思います。


 逃げ出さずに「その場」に立ち続けて開発を続ければ、いずれは完成します。作ろうとする人間が、その作品を見捨てない限りは、いつかはプレイアブルになるのです。


 普通に開発をすれば、普通に完成します。ですが普通というのは、果たして簡単な事でしょうか? そもそも「普通」とは何でしょう? どこかに明快な答えがある、ワケではない、のです? それは人それぞれ、心の中に? ある、のかも? しれません?


 ん?(゚ε゚ ) ← 何かいい感じの事をかっこよく書こうとしているうちに、自分でも意味が分からなくなった図



【なるべくトラブルを避ける為に】


 開発をスムーズに進める為に重要なのは、月並みですが、やはり「ホウレンソウ」だと実感しています。


 昭和な響きではありますが(゚ε゚;


 自分としては、当初は「仕事じゃあるまいし、細かい連絡とかメンドクサイ」的な気持ちもありました。ですが、思い起こせば「お互いの連絡が不十分だった事に起因するトラブル」というのも少なくなかったのです。このあたりについて、少し書かせて頂きたいと思います。


 例えば自分が納期超過を起こしてしまった時に、慌てて依頼元へ連絡を入れたとします。残念ながら、それは手遅れかもしれません。なぜなら納期超過となった瞬間に、その担当は他者に再アサイン済みである可能性が高いからです。(逆に言えば、スムーズに担当をアサイン出来ない開発体制のサークルは危険だと思います。)


 この場合、サークル活動のエビデンスとしては「音信不通によるバックレ」という事実が記される形になりますが、「でも後から誠意のある連絡をもらったぞ!」という部分まで記されるかといえば、それは微妙なのです。というのは、エビデンス的には「発生した事象とその結果」だけが重要だからです。


 ですが、そういう事をゴチャリと考える以前に、もっとお気楽かつ簡単な話があります。それは……そうなるよりもチョット前に、たったヒトコトだけでも構わないので、サクッと相手に連絡を入れておく。それだけなのです。そうすれば、


 OH!「遅れそう」とな? 連絡ありがとうございます! Σd(゚ε゚ )

 したらば、いつ頃になりそうっすか?


 よほど差し迫った状況でない限りは、話はそれで終わりです。こういう部分で不要に肩肘を張る必要もないと自分は思います。どうせ連絡をするならば手間は同じワケですから、早めに手軽なホウレンソウ。これがコスト的にもおトクという事になります。


 ちなみに「ゆるいゲーム開発部」のサークル規定では、多くの状況に対して「2週間」という期間が定められている場合があります。なぜ「2週間」がキーワードになるのかと言えば、


 それ以上停滞すると組織開発が死ぬ


 という考え方をしている為です。複数人でゲーム開発をする場合、2週間以上の音信不通は致命的だと(自分の場合は)考えています。


 厄介なことに、音信不通という「状況」は理論上、証明する事が難しいです。もしかしたら5分後に連絡が来るかもしれない。いや、明日かもしれない。まあ待ってみよう、明後日かもしれない……。そう期待して待ち続けた結果、半月を無為に過ごしてしまったとしたら、開発は麻痺してしまうのです。


 こうして、当初はズボラだった自分も、今では早めの連絡を差し上げる事が出来るようになりました。なったと思います。なっているといいなあ。なっていないかも。すみません……(゚ε゚;

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