第4話 開発方針
【前回までのあらすじ】
なんか学園恋愛モノのゲームを作るらしい話に。とはいえ、特に何も意見がない自分としては、場の流れに身を任せるだけです。
【より具体的にしたいものの……】
さて「恋愛ゲームを作る」という流れになったものの、具体的なシステムデザインやらフロー等は全くの空白です。そもそも企画担当すら存在していない様子ですし、どうするつもりなのでしょうか? そう思って、あすかさんに声をかけてみました。
あすか「よろしくよ」
あんたテキトーだな! Σ(゚ε゚ )
ナゼだが毎回「よろしくよ」の一言で終わっている気がします。でも、嫌とは思わなかったです。仕事外で作業する事について、ちょっとずつ「楽しい」と思い始めていた時期でした。なに、難しく考える必要はありません。無難かつ簡単に済ませられる形に収めればいいのです。それで、考えてみました。
「ぼくのかんがえた すごいゲーム」
・BGは静的画像のみ(1024*768)
・キャラのバストアップを重ね表示可能
・画面下部にテキスト表示エリアを設置(3行)
・選択肢でストーリー分岐
……あれ!? Σ(゚ε゚ )
ここで改めて気づきました。具体的に考えようと思ったのですが。企画もシナリオも存在していない状態では、これ以上はどうにも出来ないのです。そのあたりはペンディングして、先に進む他ありません。「ペンティング」という響きは何となくスマートですが、ただ問題を先送りしただけです。
でもこれで最低限、自由な絵を描く事くらいは出来るはずです。まずはヨシとしましょう。
【開発方針を打ち出す】
本来であれば、企画の立ち上げから開発までは、ザックリと以下の様な流れになると思います。
1)マーケティング
2)企画を立てる → 企画会議を通ればキックオフ
3)各担当に人をアサインする
4)開発進行管理しつつ作業が進められる
5)ベータ版の完成、テストなど
6)製品版の完成
本当にザックリになってしまった(゚ε゚;
ただ、これらは今回はあまり関係ないと言えます。なぜなら仕事ではないからです。正直に言えば、この開発は……!
「思い出作り」
自分には、そう見えました。それが悪い事とは思わないです。「みんなでコレを作った!」という結果が出せれば十分だし、そう思うと何だか微笑ましくもあります。
とはいえ、あまりにもショボすぎると皆様ガッカリするかも?という点は少々心配です。でも、だからと言って「開発の流れは~」などと小難しい話をするのもナンセンスだと思いました。なので皆様には、とりあえず以下の開発方針の案を提示してみる事に。
1)学園恋愛モノをご希望という事なので、1人が1キャラを担当して、それっぽい人物を描いてみる。
2)お互いに相談し合って、できれば男女キャラ数が均等になるといいかも。(シナリオ上でカップリングしやすくなる)
3)ラフが出来た後に、キャラのプロフィールを考えればOK。
4)シナリオはグラフィックに合わせて考えればいいので、まずはキャラを気楽に描いてみてネ。
5)余裕のある人は学園っぽいBG(背景)もお願いします。
って、メチャクチャじゃねーか!(゚ε゚;
そうは思ったのですが、これは「とにかく手軽に進められる事が最優先」と考えた上での事なのです。考えてみて下さい、作り手にとって一番ツライ事は何でしょうか?
・作品が酷評される
・データがボツになる
・作品レベルが低い
そんな話は、ぶっちゃけ「どうでもいい」のです。そういうレベルの事ではなく、それ以前のもっと根本的な話。
・作品が形にならない、世に出ない
コレに尽きます。完成しない、もしくは完成しても大人の事情で世に出ない。全ての作業がムダになる。これこそが本当の意味でキツイのです。ゆえに、とにかく「完成する事」を最優先に考えました。
シナリオについては、キャラデザが固まった時点で、そのキャラのグラフィック担当者さん自身が考える事になっています。それならば安心です。メンバーさんの人数を考えれば、担当者に不足はありません。リソースとしては十分という事になります。
それに、キャラの生みの親であるグラフィッカさん本人がシナリオを書くという事で、何だか盛り上がっている様子です。この様子ならば、ワリとアッサリと完成するのかもしれません。
そんなふうに考えていた時期が、俺にもありました。
【サウンド/SEは?】
この時点で、プログラム・グラフィック・シナリオは担当者がアサイン済みの状態です。企画は……状況を見るに、もはや意味が無いと判断しました。そもそもこの程度の企画に、企画者がいなくても大丈夫であろうと。
そんなワケなかった(^ε^ )
ですが、その事に気付くのはまだ先の話です。この時点で、残るのは「サウンド関係」という認識でした。皆様は「募集すればいいじゃない」と口にするのですが……。
ですがこの時点では、あえて募集をかけませんでした。理由は「もう少し開発が進んでから検討すべき」と思ったからです。
・募集するという行為自体が、実はコストが高い
・完成が見えていない時点で、外部の人を巻き込むべきではない
この話をした時の皆様の反応は「意味が分からない」という感じでした。もしかしたら「コスト」という言葉が分かりにくかったのかもしれません。これはお金という意味ではなく、あらゆる手間、つまりは時間という意味です。
募集する事にお金がかかるワケではありませんが、「新しく人を迎え入れる」という行為は、組織にとって地味に負担が大きいです。それに、まだ完成するか分からないプロジェクトに、第三者を巻き込むのは問題があると判断しました。
「完成するか分からない」って何?
完成するに決まってるでしょ!(゚ε゚ )
初めてこの手の開発に携わる人としては、そういう感覚かもしれません。それは当然で、最初から「このプロジェクトは頓挫するよネ!」と思いつつ参加する人などはいないワケです。ですが、
どんなプロジェクトにも、
瓦解の可能性は存在します(゚ε゚;
これはビジネス上でもあり得る事です。趣味の開発で、構成メンバーのほぼ全員が素人さんであれば当然「可能性が高い」と自分は考えていました。もちろん「完成させる為に頑張ろう!」という皆様の気持ちは本物だと思うのです。が、しかし。
気持ちだけでは超えられない壁
これは確実に存在します。実際、仕事でも何度も味わってきました……。ですが、ここは趣味の場です。そんなツマラナイ事を口にするのも違うと思います。なので自分は何となく言葉を濁しつつ、サウンド関係の担当者さんについては先送り状態にしました。
それよりも、まずは現状の自分たちに出来る部分を!という事で、グラフィックです。キャラのラフが出揃うのを待つ事になるワケですが、これは不思議なワクワク感があるものです。「開発が始まった」という事を強く実感できる時期ですね。
このまま順調に進めば、それが何よりです。ですが、なかなかそうはいかないのが現実でして……。
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